ボギスラフ3世 (ポメラニア公)

ボギスラフ3世（ドイツ語：Bogislaw III., ? - 1223年）は、12世紀末から13世紀初頭にかけてポメラニア公として在位した人物です。ポーランド語ではボグスワフ3世と呼ばれます。彼は、ポメラニア公ボギスラフ2世と、グダニスク総督ムシチュイ1世の娘ミロスワヴァの間に生まれました。しかし、彼の生涯については不明な点が多く、その存在自体が歴史的な議論の対象となっています。

生涯

14世紀のスタロガルド系図によれば、ボギスラフ3世はボギスラフ2世の息子であり、バルニム1世の弟であるとされています。また、1223年に死去し、シュチェチンの聖ヤコブ教会に埋葬されたとも伝えられています。しかし、これらの情報は確定的ではなく、史料の信憑性についても疑問が呈されています。

ボギスラフ3世の存在をめぐる議論は、彼が統治していたとされるスワブノ公の存在とも関連しています。スワブノ公ボギスラフは、1200年の文書にスカルニノとコスマチェヴォの村を聖ヨハネ騎士団に寄進した人物として記録されています。また、1177年から1187年の間に「下ポメラニア」（中央ポメラニア）を統治していたボギスラフについても、ヴィンツェンティ・カドゥウベックとヴィエルコポルスカ年代記によって言及されています。

一部の歴史家は、スワブノ公ボギスラフ3世は実際にはボギスラフ1世またはボギスラフ2世と同一人物であるという説を唱えています。この説を支持する根拠として、ラティボル1世の子孫であるという資料や、子供を持たずに亡くなった、あるいはラティボル2世とズヴィニスワヴァという2人の子供がいたという情報が挙げられています。しかし、これらの情報も断片的であり、決定的な証拠とは言えません。

歴史学においては、ボギスラフ3世は架空の人物であり、ポメラニアの年代記作者であるT. カンツォフによって創作されたという見解も存在します。この見解は、ボギスラフ3世に関する史料が極めて少ないこと、また、彼の存在を裏付ける同時代の記録が見つかっていないことを根拠としています。

まとめ

ボギスラフ3世は、ポメラニアの歴史において謎に包まれた人物です。彼の生涯や業績については、史料が乏しく、歴史家の間でも意見が分かれています。彼が実在の人物であったのか、それとも架空の存在であったのか、今後の研究によって解明されることが期待されます。

参考文献
Rymar, Edward (2005). Rodowód książąt pomorskich. Szczecin: Książnica Pomorska im. Stanisława Staszica. ISBN 83-87879-50-9.
Szymański, J.W. (2006). Książęcy ród Gryfitów. Goleniów: Kielce. ISBN 83-7273-224-8
* Madsen U.. “Bogislaw (?) Herzog von Schlawe-Stolp”. 2012年2月24日閲覧。

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