ボグスワフ・フリデリク・ラジヴィウ

ボグスワフ・フリデリク・ラジヴィウ：プロイセンのポーランド系貴族、軍人、政治家

ボグスワフ・フリデリク・ラジヴィウ（Bogusław Fryderyk Radziwiłł, 1809年1月3日 - 1873年1月2日）は、プロイセン王国のポーランド系貴族であり、軍人、そして政治家としても活躍しました。侯爵（Fürst）/公爵（książę）の称号を持ち、オルィカの第11代オルディナト（世襲領主）としても知られています。

生涯

ボグスワフは、プロイセン領ポーゼン大公国の総督を務めたアントニ・ヘンリク・ラジヴィウ侯と、プロイセン王子フェルディナントの娘であるルイーゼの間に生まれました。彼の洗礼の代父は、又従兄にあたるプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世が務めました。幼少期から両親や兄弟姉妹とともにベルリン宮廷の一員として育ち、上流階級の一員として教育を受けました。

1832年10月17日には、クラリー＝アルトリンゲン伯爵夫人レオンティーネ（1811年 - 1890年）と結婚し、長男のフェルディナント（1834年 - 1926年）をはじめ、9人の子供をもうけました。1833年には、父からヴォルィーニ地方（現在のウクライナ北西部）に位置するオルィカの世襲領と、アントニンの城館を相続しました。これにより、彼は広大な領地を所有する大地主としての地位も確立しました。

軍人・政治家としての活動

1828年にプロイセン軍の少尉に任官されたボグスワフは、1836年に大尉に昇進し、第1近衛歩兵連隊に所属しました。その後も昇進を重ね、1840年には少佐に、1870年には名誉的な中将となりました。しかし、軍隊を退いた後は、もっぱら慈善活動と政治活動に力を注ぎました。

数十年にわたりベルリン市議会議員を務め、都市の発展に貢献しました。1847年にはプロイセン統一議会の貴族部会議員となり、さらに1850年にはエアフルト連邦議会の議員となりました。また、ベルリン市当局の救貧部門の部局長としても活動し、貧困層の救済に尽力しました。さらにカトリック系福祉団体「ヘートヴィヒ協会」の一員として、1840年にベルリン市内にカトリック系の病院を建設する上で非常に重要な役割を果たしました。1854年にはプロイセン貴族院の世襲議員とされ、ポーゼン州の州議会議員も務めました。彼は中央党に所属し、政治的な影響力を発揮しました。

ビスマルクとの関係

帝国宰相オットー・フォン・ビスマルクは、自著『回顧録』の中で、ラジヴィウ家の人々がドイツ皇帝ヴィルヘルム1世に働きかけ、プロイセン文化省に新しくカトリック教会部局を設置させたことについて述べています。ビスマルクは、この出来事がポーゼン州と西プロイセンにおけるポーランド人の民族主義運動を活発化させる結果を招いたと嘆いています。

ビスマルクは、ラジヴィウ家のプロイセン政府における政治的影響力は、ボグスワフ侯が長年にわたりベルリン市議会の重鎮であったことに起因すると見ていました。また、ボグスワフの長男であるフェルディナント侯が、ポーランド系住民とローマ・カトリック信徒を連帯させる政治活動を推進したことも、ビスマルクにとっては不快なことでした。初代カトリック部局局長のアーダルベルト・クレーツィヒは、以前ボグスワフに雇われたことのある人物で、ビスマルクは彼を「ラジヴィウ家の農奴」と呼んでいました。こうしたポーランド民族主義とウルトラモンタニズムの台頭に対するビスマルクの苛立ちが、後の文化闘争政策の素地を作ったと考えられています。

ボグスワフ・フリデリク・ラジヴィウは、プロイセン王国におけるポーランド系貴族としての地位を確立し、軍人、政治家、慈善家として多岐にわたる活動を展開しました。彼の活動は、プロイセンの政治と社会に大きな影響を与え、特にポーランド民族主義運動の展開に深く関わりました。

参考文献

Hermann Krüger (Hrsg.): Chronik des preußischen Herrenhauses. Ein Gedenkbuch zur Erinnerung an das dreißigjährige Bestehen des Herrenhauses. Berlin, 1885.

外部リンク

Genealogie der Familie Radziwill
Eintrag auf thepeerage.com

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