ボゴタ憲章

ボゴタ憲章（アメリカ平和調停条約）は、1948年4月30日にコロンビアのボゴタで開催された第9回パン＝アメリカ会議において、米州諸国の代表によって締結されました。

この条約の主な目的は、締約国に対して紛争を平和的な手段で解決する義務を課すことにありました。具体的には、紛争が発生した場合、締約国はまず地域内の紛争解決制度（米州機構の関連機関など）を利用することを求められました。その上で、もし地域的な解決が困難な場合に限り、国際連合安全保障理事会への提訴が認められるという仕組みになっていました。

また、ボゴタ憲章は、紛争解決のための管轄裁判所を国際司法裁判所（ICJ）と定めた条約の一つでもあります。これにより、締約国間の紛争が法的な枠組みの中で解決されることが期待されました。

締結国の状況

ボゴタ憲章の締結と批准の状況は、国によって異なっています。

留保なしで締結・批准した国：ブラジル、コスタリカ、ドミニカ共和国、ハイチ、ホンジュラス、メキシコ、パナマ、ウルグアイ
留保付きで締結・批准した国：ボリビア、チリ、エクアドル、ニカラグア、パラグアイ、ペルー（これらの国々は、条約の特定の条項に対して留保を表明した上で批准しています。）
締結したが批准しなかった国：アルゼンチン、キューバ、グアテマラ、アメリカ合衆国、ベネズエラ（アルゼンチンとアメリカ合衆国は留保付きで締結しています。）
脱退した国：エルサルバドル（1973年11月24日に脱退）、コロンビア（2012年11月28日に脱退）

エルサルバドルとコロンビアが脱退した背景には、それぞれの国内事情や、条約の拘束力に対する考え方の変化などが考えられます。

ボゴタ憲章の意義

ボゴタ憲章は、米州地域における紛争の平和的解決を目指す重要な枠組みとして機能してきました。しかし、締約国の脱退や留保の存在、そして地域紛争の複雑化などにより、その有効性には課題も指摘されています。米州機構は、ボゴタ憲章の精神を尊重しつつ、新たな紛争解決メカニズムの構築にも取り組んでいます。

関連事項

米州機構憲章

外部リンク

American Treaty on Pacific Settlement (Pact of Bogota) - 米州機構

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