ボツワナ鉄道

ボツワナ鉄道の概要と歴史

ボツワナ鉄道（Botswana Railways、略称：BR）は、ボツワナの国営の鉄道会社です。1970年代の後半、ボツワナ国内の鉄道網をジンバブエ国鉄から自主的に買い取り、1980年に設立されました。現在の路線は総延長が約888km、軌間は1,067mmの狭軌を採用しています。北側はフランシスタウンを経由してジンバブエのプラムトゥリー、ブラワヨ方面に、南側はハボローネ、ロバツェを通じて南アフリカのマフィケングにアクセスしています。また、セレビ・ピクウェ鉱山への支線も存在し、ボツワナの経済活動に貢献しています。

歴史的背景

ボツワナに鉄道が初めて導入されたのは19世紀末であり、イギリス南アフリカ会社によってモザンビークの港から内陸部へ向けての鉄道が敷設されました。1893年にはケープ州からブラワヨへの路線工事が開始され、1897年にブラワヨ線が開通したことが記録されています。この線路は1927年にローデシア鉄道によって運営され、1936年にはその所有権も移行しました。さらに、1959年には南アフリカ鉄道に一部譲渡されました。

1947年、ローデシア鉄道は南ローデシア政府によって国有化され、1980年にジンバブエの独立を受けてジンバブエ国鉄に改名されました。その後、ボツワナはボツワナ国内の鉄道を自国で運営することを決定し、1987年にボツワナ鉄道を正式に設立しました。現在、この鉄道の運営にはインドの企業「RITES Ltd」が支援を行っています。

現在の運営と課題

ボツワナ鉄道は、1999年にジンバブエでベイトブリッジ=ブラワヨ鉄道が開通したことにより、輸送量と収益が減少しました。この経済的な打撃を受け、ボツワナ政府は近隣のザンビアへ向かう新たな鉄道を建設する計画を立てています。インフラストラクチャー強化に向けた取り組みは、オーストラリアを中心とした企業団の協力によって推進されています。

慢性的な赤字経営からの脱却を目指す中で、ボツワナ鉄道は2009年に旅客業務を一時中止し、貨物輸送に専念することを決定しました。ただし、ジンバブエ国鉄の運行する旅客列車は、依然としてフランシスタウン、ハボローネ、ロバツェといった主要都市間を結んでいます。

2016年には旅客列車の運行が再開され、ロバツェとフランシスタウン間、ハボローネとロバツェ間でそれぞれ1往復ずつの列車が運行されています。運行はスタンダードクラス、ビジネスクラス、ファーストクラスの3等級制で、公式ウェブサイトから切符の予約が可能です。このように、ボツワナ鉄道は過去の歴史を経て、現在でも国の輸送網の重要な一翼を担い続けています。

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