ボトシャニ

ボトシャニ（Botoșani）は、ルーマニア北東部に位置する都市で、ボトシャニ県の県都です。モルダヴィア地方に属し、豊かな歴史と文化が息づいています。ルーマニアを代表する詩人ミハイ・エミネスクと歴史家ニコラエ・ヨルガの出身地として、国内外にその名を知られています。

市名の由来

市名の起源は、ボイェリ（貴族）の一族であるボタシュ家（Botaş）に由来すると考えられています。ボタシュ家は、15世紀末のモルダヴィア公シュテファン3世時代の記録にも登場し、11世紀にまで遡ることができるモルダヴィアの重要な一族です。

歴史

市内最古の遺物は、1350年付のアルメニア人の墓石です。ボトシャニに関する最初の記述は、1493年11月28日のモルダヴィア年代記にあり、ノガイ人の侵攻に関する記録とともに記されています。この町は、当初は市場町として栄え、複数の商業路が交わる場所でした。16世紀には、モルダヴィア最古で最大の市場がすでに開かれていました。17世紀以降には、ユダヤ人とアルメニア人の貿易商人の大規模なコミュニティが形成されました。

1859年創立のA.T.ラウリアン国立カレッジは、ルーマニア最古の高等教育機関の一つとして知られています。

見どころ

ボトシャニには、歴史的建造物や文化施設が数多く存在します。

チョマク・カンテミルの家（Ceomac Cantemir House）: 1800年から史跡に指定されています。
ニコラエ・ヨルガ記念館（"Nicolae Iorga" Memorial House）: 歴史家ニコラエ・ヨルガが幼少期を過ごした家です。
オクタヴ・オニチェスク記念館（"Octav Onicescu" Memorial Museum）: 数学者・哲学者オクタヴ・オニチェスクがかつて所有していた家です。
郡博物館（County Museum）: 18世紀後期の建築で、ニコラエ・ヨルガの祖父がかつて住んでいました。1989年から一般公開されており、この地方の田舎の暮らしを展示しています。
シュテファン・ルキアン美術館（"Ştefan Luchian" Art Galleries）:画家シュテファン・ルキアンやオクタヴ・バンチラらの作品を所蔵しています。
ミハイ・エミネスク国立劇場（"Mihai Eminescu" State Theatre）: 1914年に開館しましたが、1944年に空襲で破壊され、1958年に再建されました。
ヴァシラケ人形劇場（"Vasilache" Puppet Theatre）: ルーマニア内外の人形劇団が拠点を置いています。
ボトシャニ国立フィルハーモニック（Botoşani State Philharmonic）: 19世紀の新古典主義建築であるヴィラ・ヴェントゥラを本拠地とし、定期公演を行っています。
ラプソジイ・ボトシャニロル・アンサンブル（"Rapsozii Botoşanilor" Ensemble）: 民族音楽の楽団です。
ミハイ・エミネスク県立図書館（"Mihai Eminescu" County Library）: 38万冊の蔵書を誇り、フランスとドイツの影響を受けた19世紀後期のユニークな建築物、カサ・モスコヴィチに入っています。
旧市街: 17世紀から18世紀にかけて建てられた商業建築が残っています。
ウスペニア教会: 1552年にモルダヴィア公ペトル・ラレシュの妻エレナが創建し、詩人ミハイ・エミネスクが洗礼を受けた場所です。
スファントゥ・ゲオルゲ教会: 1551年にエレナ・ラレシュによって創建されました。
スファントゥ・ニコラエ教会: 1496年にシュテファン3世が創建し、内部装飾は15世紀からのものです。修道院は壁で囲まれ、小さな城塞のような様相を呈しています。

交通

市内にはボトシャニ市電が運行しています。

スポーツ

FCボトシャニというプロサッカークラブが活動しています。

姉妹都市

ボトシャニ市は、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ブレスト（ベラルーシ）
ラヴァル（カナダ、2000年提携）

出身有名人

フロリン・アンドネ：プロサッカー選手
ミハイ・エルネスク：詩人

外部リンク

ROMANIA SPA:
www.botosani.ro（ルーマニア語）
www.probotosani.ro（ルーマニア語）
www.labotosani.ro（ルーマニア語）

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