ボビーに首ったけ

『ボビーに首ったけ』

『ボビーに首ったけ』は、1980年に発表された片岡義男の小説で、その後1985年にはアニメ映画としても制作されました。物語は、神奈川県鎌倉市に住む高校3年生の野村昭彦、通称「ボビー」を主人公に展開します。彼はバイクとサーフィンを愛し、進路について父親との間に葛藤を抱えています。

小説のあらすじ

ボビーの父親は息子をなんとしても大学に進学させたがりますが、ボビーは就職を希望しており、二人の意見は対立しています。そんな中、ボビーは母親に支えられながら進む道を模索していきます。高校2年生の秋、友人たちと九州までのツーリングに出かけた際に、その経験をバイク雑誌に投稿した結果、掲載されることになり、岡山県笠岡市に住む中原咲美から返事を受け取ります。この手紙がきっかけで、ボビーと咲美は文通を始めることになります。

高校3年生になったボビーは湘南のサーフ・ショップでアルバイトを始め、仕事にのめり込みますが、父親が彼の長期欠席に気付いたことで大喧嘩が勃発します。逃げるように家を出て、友人のアパートで生活を始めるボビーですが、やがて千葉県の九十九里浜に支店ができるとの情報を耳にします。ボビーはそこへの異動を希望しますが、その頃に届いた咲美の手紙には「この3年間ずっと病気で家にこもっていた」との言葉が綴られていました。

アニメ映画について

1985年にアニメ映画として公開された『ボビーに首ったけ』は、同時上映として『カムイの剣』がありました。ボビーの声を担当しているのは野村宏伸で、彼は同時に主題歌も歌っています。「突然って、きらいですか…?」というキャッチ・コピーが印象的で、作品のテーマを端的に表現しています。映画ではボビーと咲美の関係や、彼の青春の葛藤が映像を通じて描かれ、原作の魅力をしっかりと伝えています。

キャストとスタッフ

主要キャストには、ボビー役の野村宏伸をはじめ、友人の木田役は根津甚八、咲美役は村田博美などが名を連ねています。製作には角川春樹が関与し、企画をりんたろうが担当。監督には平田敏夫が起用され、他にも多くの才能あるスタッフが関わっています。

音楽とエンディング

映画の音楽には、奥慶一がノミネートしており、挿入歌『ボビーにRock'n Roll』やエンディングテーマ『BOBBY'S GIRL』など、作品の雰囲気を一層引き立てています。これらの楽曲は、ボビーの青春のエッセンスを盛り上げます。

『ボビーに首ったけ』は、若者の成長や葛藤、友情を描いた作品として、多くの人々に愛されてきました。小説と映画、両方の視点から楽しむことで、より深い感動を味わえます。

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