平田敏夫

平田敏夫：アニメーション界の巨匠、その生涯と作品

平田敏夫（1938年2月16日 - 2014年8月25日）は、日本のアニメーション界に多大な貢献をした、卓越したアニメーター、演出家、そして監督です。愛称は「ポンさん」。山形県天童市生まれ。武蔵野美術大学卒業後、1960年に東映動画（現・東映アニメーション）に入社しました。

東映動画時代と虫プロでの飛躍

東映動画時代は、森康二氏率いる班に所属し、アニメーターとして『わんぱく王子の大蛇退治』などの制作に携わりました。4年間の動画マンとしての経験を経て、『狼少年ケン』で原画デビュー。その後、虫プロダクションに移籍し、アニメーターとして研鑽を積みます。同社では『鉄腕アトム』で演出家デビューを果たし、山本暎一氏に師事して演出の技術を磨きました。『ジャングル大帝』など数々の作品で演出を担当し、才能を開花させました。

実験的なアニメーションへの挑戦とサンリオ時代

虫プロ退社後は、銀座のCM制作会社ジャガードにアニメーターとして入社。最先端技術を駆使した実験的なアニメーション制作に携わり、レナウンなどのテレビCMを手がけました。しかし、ストーリー性の強い作品への創作意欲が再燃し、ジャガードを退社。ズイヨー映像、グループタックを経て、1974年にサンリオへ移籍します。サンリオでは『くるみ割り人形』に参加し、1981年にはアニメ映画『ユニコ』で監督デビューを果たしました。

フリーランスとしての活躍と晩年

1980年代半ばからは、マッドハウスを主な拠点に活動。1985年の『ボビーに首ったけ』では、片岡義男作品の中から自ら原作を選び、角川映画とタッグを組み、CMで培った技術を駆使した、自由な作風で話題となりました。以降は、長年に渡る人脈を生かし、フリーランスの演出家として活躍。数多くのアニメーション作品に携わりました。そのキャリアの幅広さは、テレビアニメから劇場アニメ、OVAまで多岐に渡り、演出だけでなく、絵コンテ、キャラクターデザイン、原画、動画など様々な役割を担いました。晩年は日本の昔話を題材とした作品にも力を注ぎました。2014年8月25日、76歳で逝去しました。

代表的な参加作品

平田敏夫氏の参加作品は膨大で、その代表作を以下に挙げます。

テレビアニメ:『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『あしたのジョー』『まんが世界昔ばなし』『小さな恋のものがたり』『YAWARA!』『Petshop of Horrors』『DEATH NOTE』『スティッチ!』など。

劇場アニメ:『ユニコ』『ボビーに首ったけ』『はだしのゲン2』『ゴキブリたちの黄昏』『海だ!船出だ!にこにこぷん』『アンネの日記』『メトロポリス』など。

OVA:『火の鳥　ヤマト編』『宮沢賢治作品集　どんぐりと山猫』『水木しげるの妖怪画談』『いちご100%』など。

これらの作品を通して、平田敏夫氏は日本のアニメーション文化に多大な貢献をしました。その功績は、後世のアニメーターたちに長く語り継がれることでしょう。独特の作風と、幅広い才能で多くの視聴者を魅了した平田敏夫氏は、真のアニメーション界の巨匠であったと言えます。

関連人物

杉野昭夫氏など、多くのアニメーターと関わり、指導や協力を重ねました。

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