ボブソン

ボブソン：日本のジーンズブランドの歩み

岡山県発祥のジーンズブランド「ボブソン(BOBSON)」は、1969年の商標登録以来、幾多の変遷を経て現在に至っています。親しみやすい響きのブランド名は、アメリカ人の一般的な名前であるBOBとSONを組み合わせたもの。特徴的な山形のバックポケットステッチは、創業家である尾崎家の屋号に由来すると言われています。水牛の角をモチーフにしたブランドマークも、ボブソンのアイデンティティを象徴しています。

創業から2009年：山尾被服工業時代

ボブソンの歴史は、1945年に岡山県倉敷市で創業した縫製工場「山尾兄弟会社」に遡ります。当初は学生服や作業服などを手掛けていましたが、ジーンズブーム到来を見据え、1969年に「ボブソン」の商標を出願。1970年からジーンズの製造販売を開始しました。1973年には社名を「株式会社ボブソン」に変更し、本格的にジーンズブランドとしての道を歩み始めます。

1992年には東レとの提携により開発された「04ジーンズ」がヒット商品となり、F1やJリーグなどのスポンサー活動も展開。しかし、2000年代に入ると、ファストファッションブランドの台頭や市場の縮小により、業績は徐々に悪化していきました。

2009年から2012年：新ボブソンと経営再建の失敗

2009年、経営コンサルタントファンドであるマイルストーン ターンアラウンド マネジメントが支援に乗り出し、新たに「株式会社ボブソン（新ボブソン）」が設立されました。旧ボブソンからブランド事業が譲渡され、ブランドイメージの再構築や高付加価値商品の提供に注力。しかし、業績は改善せず、2011年には民事再生法の適用を申請。東日本大震災の影響も重なり、2012年には破産手続開始決定を受けました。

2012年以降：ボブソンピーチフォートによるブランド再生

破産後、「ボブソン」ブランドは創業家の尾崎家が買い戻しました。旧ボブソンは「株式会社ピーチフォート」に社名変更し、アメリカの子供服ブランドのライセンス展開などで収益を回復させていました。尾崎家は2012年に「株式会社ボブソンホールディングス」を設立し、ブランドの再取得を実現。その後、国内外の企業へのライセンス供与や販路拡大などを積極的に行い、ブランドの再建に成功しました。2017年には、株式会社ピーチフォートが株式会社ボブソンピーチフォートに社名変更し、ボブソン事業の営業権を譲渡しています。

ボブソンの歴史を彩る出来事

1945年: 山尾兄弟会社創業
1950年: 山尾被服工業株式会社設立
1969年: 「ボブソン」商標出願
1970年: ジーンズ製造販売開始
1973年: 株式会社ボブソンに社名変更
1992年: 「04ジーンズ」ヒット
2009年: 新ボブソン設立、事業譲渡
2011年: 民事再生法申請
2012年: 破産手続開始決定、ボブソンホールディングス設立、ブランド買戻し
2017年: 株式会社ピーチフォートが株式会社ボブソンピーチフォートに社名変更

ボブソンは、日本のジーンズ業界を代表するブランドとして、歴史の荒波を乗り越えながら、現在も進化を続けています。その背景には、創業家や関係者たちの努力と、時代を反映した戦略転換があったと言えるでしょう。

参考文献

(ここに参考文献を記載)

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