ボブ・ペイズリー

ボブ・ペイズリーについて

ボブ・ペイズリー（Bob Paisley OBE、本名: Robert Paisley）は、1919年1月23日にイギリス・サンダーランドに生まれ、1996年2月14日に亡くなったサッカー界の伝説的存在です。彼は元サッカー選手であり、後に著名な監督として名を馳せました。特にリヴァプールFCにおいて、1970年代から1980年代にかけて最高の時代を築きました。

人物

ペイズリー監督は、リヴァプールFCの指揮を担った9年間に、UEFAチャンピオンズカップ（当時の名称はヨーロピアンカップ）を3度、リーグタイトルを6度獲得し、多くの栄冠をもたらしました。実際に、ペイズリーが監督としてチャンピオンズカップを3度制覇したのは、2023年時点で彼とカルロ・アンチェロッティ、ジネディーヌ・ジダン、ジョゼップ・グアルディオラの4人しかいません。さらに、彼はイングランド年間最優秀監督を6回受賞し、月間最優秀監督にも11回選ばれるなど、業績は輝かしいものであります。

来歴

選手時代

ペイズリーは1937年にアマチュアチームでプロのキャリアを始め、1940年にリヴァプールFCに加入しました。しかし、第二次世界大戦の影響を受け、彼はプレーから長期間離れることとなりました。戦局が落ち着いた後、1946年にリーグ戦が再開されると、ペイズリーは復帰し、初年度にはリーグ優勝を果たします。1950年のFAカップ準決勝でエヴァートン相手にゴールを決めたものの、決勝には出場できず、アーセナルに敗れました。チームのキャプテンを務めた後、1954年に選手活動を終えましたが、277試合に出場し、12ゴールを上げていました。

指導者として

現役引退後、ペイズリーはリヴァプールで理学療法士としてチームに残り、1959年にビル・シャンクリー監督の下でアシスタントコーチとなります。1974年、シャンクリーが引退すると、ペイズリーが新たな監督に就任しました。初年度は無冠でしたが、その後はリーグや国際大会で見事な活躍を見せました。特に、彼が指揮を執っていた1975-76シーズンにはリーグ優勝とUEFAカップ優勝を成し遂げ、1976-77シーズンにはクラブ初のUEFAチャンピオンズカップを制覇しました。このシーズンにはリーグ優勝も果たしましたが、FAカップの決勝ではマンチェスター・ユナイテッドに敗れ、トレブル達成には至りませんでした。

1977-78シーズンに再びチャンピオンズカップの連覇を達成し、その後も1980-81シーズンに3度目の優勝を果たしました。また、彼の指揮下では、リヴァプールはアンフィールドにおいて85試合連続無敗を記録し、63試合連続リーグ戦ホーム無敗記録を樹立しました。この記録は2007年にチェルシーによって破られることになります。

1983年にはリーグ優勝とフットボールリーグカップ3連覇という成果を持ち、9年間の監督生活を終えました。

引退後の生活

ペイズリーは監督業を引退後、リヴァプールのチームディレクターとして活動しましたが、1992年にはアルツハイマー型認知症を患い、その後引退しました。1996年に亡くなると、1999年にはリヴァプールFCのホームスタジアム、アンフィールドに「ペイズリー・ゲート」と名付けられた門が設けられました。また、エムリン・ヒューズを試合中におぶったエピソードも有名で、その時の姿を模した銅像が建てられています。

獲得タイトル

選手時代

• - フットボールリーグ　ディビジョン1 (1): 1946-1947

監督時代

国内

• - フットボールリーグ　ディビジョン1 (6): 1975-1976, 1976-1977, 1978-1979, 1979-1980, 1981-1982, 1982-1983
• - フットボールリーグカップ (3): 1981, 1982, 1983
• - コミュニティ・シールド (6): 1974, 1976, 1977, 1979, 1980, 1982

欧州

• - UEFAカップ (1): 1975-76
• - UEFAチャンピオンズカップ (3): 1976-77, 1977-78, 1980-81
• - UEFAスーパーカップ (1): 1977

ボブ・ペイズリーは、戦後のサッカー界において特異な影響を及ぼし、後世に語り継がれる名監督としてその名が刻まれています。

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