ボリシャヤ・ウスルカ川

ボリシャヤ・ウスルカ川は、ロシア連邦沿海地方ダリネレチェンスクを流れる、ウスリー川の右支流です。この川は、かつては「大ウスルカ川」とも呼ばれていました。満洲民族を始めとする現地のトゥングース系民族からは「ニマン川」（満洲語: ᠨᡳᠮᠠᠨ/Niman）として知られ、漢語では「尼満河」と表記されていました。20世紀半ばまで、この川は「イマン川」（ロシア語: Има́н）という名前でも広く認識されていました。しかし、1972年に極東ロシア地域で行われた地名変更に伴い、現在の「ウスルカ川」へと名称が変更されました。

河川の概要

ウスルカ川の全長は440キロメートルに達し、流域面積は29,600平方キロメートルに及びます。シホテ・アリン山脈の西斜面を源流とし、ダリネレチェンスク市の近くを流れた後、そこから下流へ357キロメートル進んだ地点でウスリー川に合流します。流域の河川網は、ダリネレチェンスク市に近い上流域と中流域において特に発達しており、多くの支流が本流に流れ込んでいます。これにより、複雑で豊かな水系が形成されています。

この地域は、歴史的に多様な民族が生活してきた場所であり、川の名前の変遷からもその歴史的な背景が伺えます。満洲民族やトゥングース系民族にとって、この川は生活に不可欠な存在であり、文化や歴史に深く根付いていました。地名変更は、この地域の歴史における一つの転換点を示す出来事でした。

参考資料

• - アレクサンドル・カンチュガ著、津曲敏郎訳『ビキン川のほとりで　沿海州ウデヘ人の少年時代』北海道大学出版会、2014年

この書籍は、ウスルカ川流域を含む沿海州の自然や文化、人々の暮らしについて深く理解するための参考になります。

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