ボリショイ劇場

ボリショイ劇場について

ボリショイ劇場（ロシア語: Большой театр）は、ロシアの首都モスクワに位置し、世界的にも有名なオペラとバレエの劇場です。正式名称は「国立アカデミー・ボリショイ劇場」であり、名前の「ボリショイ」は「大きい」という意味を持ち、他の小劇場と区別されています。この劇場は、ロシア国内で特に有名で、多くの人々に愛されている文化の象徴とも言えます。

歴史の始まり

ボリショイ劇場の歴史は1776年に遡り、当初はピョートル・ウルソフ公爵とマイケル・マドックスによって公爵邸でのオペラやバレエ、ドラマの上演から始まりました。1780年にはモスクワ・モホヴァヤ通りのパシュコーフ邸を専属劇場として設け、その後の発展を遂げました。しかし、劇場は数度の火災に見舞われ、1812年にはナポレオンの侵攻によるモスクワ大火で再度被害を受けました。

1825年には、現在のテアトラーリナヤ広場に新たに建設された劇場が完成し、ロシアの作品を中心に上演を行いました。1840年からは外国作品も扱うようになり、その後も困難な時期を経て1856年に現在の形へ改築されました。

一時の孤立と再建

第二次世界大戦中、ボリショイ劇場は攻撃から身を守るためカモフラージュされましたが、1941年の空襲で大きな被害を受けました。それでも再建は行われ、1943年には新シーズンを迎えてオペラ「皇帝に捧げた命」を上演し、営業を再開しました。

観客席数は約2,150席あり、その規模は壮観です。2002年には新たに小劇場も建設され、さらなる作品の上演が可能となりました。

2005年には本館が大規模改修に入ることとなり、6年間の工事を経て2011年に再開しましたが、改修に対しては賛否がございました。

ロシア軍支援公演

2022年には、ロシアのウクライナ侵攻に関連する支援公演が行われ、戦争という困難な状況下での劇場の役割が際立つ出来事となりました。この公演は収益がロシア軍に送られるものであり、賛否を呼ぶ要因ともなりました。

オペラとバレエの融合

ボリショイ劇場は、オペラ及びバレエの両方で高い評価を受けており、特に国民楽派の音楽家たちによる作品が数多く上演されてきました。オペラの分野でも、グリンカやチャイコフスキー、ラフマニノフなどロシアの偉大な作曲家の作品が多く取り入れられています。

バレエ団としてのボリショイ・バレエは、世界的な知名度を誇り、多くの名作を上演してきました。チャイコフスキーの『白鳥の湖』など、古典的なバレエ作品は特に人気があります。また、ボリショイ劇場はその歴史の中で、多くの著名なダンサーを輩出してきました。

終わりに

ボリショイ劇場は、その建築美と豊かな文化的伝統から、ロシアのみならず世界中の人々に広く知られる存在です。オペラやバレエの佳作が上演され続ける中、ボリショイ劇場は未来に向けて文化の灯を絶やさずに続いていくことでしょう。

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