ボリス・バルネット

ボリス・バルネット（Boris Vasilyevich Barnet, ロシア語: Борис Васильевич Барнет, 1902年6月18日 - 1965年1月8日）は、ソビエト連邦（現在のロシア）出身の映画監督、脚本家、そして俳優として多才な才能を発揮しました。

生涯

1902年、ロシア帝国のモスクワで生まれたバルネットは、モスクワ美術大学で学びました。1918年頃には赤軍に加わり、ボクシングの技術を磨きました。1924年には、映画監督レフ・クレショフの作品『ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』に俳優として出演し、映画界でのキャリアをスタートさせました。

1927年、バルネットはフョードル・オツェプとの共同監督作品『ミス・メンド』で監督デビューを果たします。同年には、『帽子箱を持った少女』を単独で監督し、その才能を開花させました。彼の初期の作品は、ソビエト映画の黎明期を彩る重要な作品として評価されています。

1930年代から1950年代にかけて、バルネットは数々の映画を監督しました。代表作としては、『トルブナヤの家』(1928年)、『国境の町』(1933年)、『青い青い海』(1935年)、『騎手物語』(1940年/1959年)、『諜報員』(1948年)、『豊かな夏』(1951年)、『レスラーと道化師』(1957年)などが挙げられます。

1963年、バルネットは『ちいさな駅』を発表しました。しかし、この作品を最後に、彼は映画界から姿を消しました。晩年はアルコール依存症に苦しみ、1965年1月8日、ソビエト連邦（現在のラトビア）のリガで自ら命を絶ちました。62歳でした。

作品の特徴

バルネットの作品は、その映像美と人間ドラマの描写に定評があります。彼の映画は、社会主義リアリズムを基盤としながらも、独自の詩的な感性とユーモアを併せ持っています。また、初期の作品から一貫して、人間の感情や社会的な問題を繊細に描き出しており、その作風は、後の世代の映画監督に大きな影響を与えました。

主なフィルモグラフィ

『ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』 (1924年) - 出演
『ミス・メンド』 (1927年) - 共同監督
『帽子箱を持った少女』 (1927年) - 監督
『アジアの嵐』 (1928年) - 出演
『トルブナヤの家』 (1928年) - 監督
『雪どけ』 (1931年) - 監督
『国境の町』 (1933年) - 監督・脚本
『青い青い海』 (1935年) - 監督
『騎手物語』 (1940年/1959年) - 監督
『賞金首』 (1942年) - 監督
『ノヴゴロドの人びと』 (1942年) - 監督
『諜報員』 (1948年) - 監督・出演
『豊かな夏』 (1951年) - 監督
『リャナ』 (1955年) - 監督
『レスラーと道化師』 (1957年) - 監督
『アリョンカ』 (1961年) - 監督
『ちいさな駅』 (1963年) - 監督

関連事項

モスクワ美術大学
アラ・カザンスカヤ (女優)
オルガ・バルネット (娘、女優)
レフ・クレショフ (映画監督)
ジガ・ヴェルトフ (映画監督)

外部リンク

ボリス・バルネット - allcinema
ボリス・バルネット - KINENOTE
* Boris Barnet - IMDb

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