ボリバープラーツ

ボリバル広場（Bolivarplaats）は、ベルギーのアントウェルペン、ザウト＝ミュージアム地区に位置する広場です。自動車の乗り入れが規制されており、歩行者にとって安全で快適な空間となっています。

広場のランドマークとなっているのは、通称「蝶の宮殿」と呼ばれるアントウェルペン裁判所（Gerechtsgebouw Antwerpen）です。その大きな階段の下には、アントウェルペン市内の交通を担うトラムのプラットフォームが2面あり、12番系統のターミナルとして機能しています。かつては8番系統もこの広場をターミナルとしていました。

現在の裁判所が建つ場所には、1878年から1965年までアントウェルペン南駅（Station Antwerpen-Zuid）がありました。駅の移転後、その跡地に建てられたのが現在の裁判所です。イギリスの建築家リチャード・ロジャースの設計により、2006年に完成しました。

広場に面した場所には、テラス席を備えたカフェやレストランが軒を連ね、市民や観光客の憩いの場となっています。かつてナイトクラブとして賑わったZillionの跡地や、高等専門学校のカレル・デ・グローテ・ホゲスchoolも広場からほど近い場所に位置しています。

広場の地下には、高速道路A112の一部であるボリバル・トンネル（Bolivartunnel）が通っています。このトンネルは、大通りであるデ・レイエン（De Leien）の一部、アメリカレイ（Amerikalei）と、アントウェルペン環状道路R1、高速道路A12（ブリュッセル方面）、A112（ヘント方面）を結ぶ重要な交通インフラとなっています。

ボリバル広場は、イベントやパフォーマンスの会場としても利用されています。広場の名前は、南米の独立運動の指導者であるシモン・ボリバルに由来します。2009年には、彫刻家ロール・ダーズ（Roel D'Haese）が制作したヤン・デ・リヒテ（Jan de Lichte）の像が広場に設置されました。

歴史遺産地区に近接するこの広場は、アントウェルペン中心市街地南部における公共交通の乗り換え地点としての役割が期待されており、周辺地域では様々な開発計画が進められています。

将来計画

広場の縁を通る環状道路は、将来的に裁判所の裏手を通るようにルートが変更される予定です。

現在広場を周回しているトラムのループ線は、470メートルの路線をブリュッセルストラート（Brusselstraat）経由で延伸し、現在のアントウェルペン南駅まで接続する計画があります。その際には、バスターミナルも新たに建設される予定です。

広場とアントウェルペン南駅の間には、緑地公園であるコネインエンウェイ（Konijnenwei）があります。埠頭とケネディ・トンネル（Kennedytunnel）の間には、新たな住宅地区ニュー・ザウト（het Nieuwe Zuid）が建設される予定です。

さらに、ボリバルプラーツからニュー・ザウト、ペトロレウム＝ザウト（Petroleum-Zuid）、シェルデカーイエン（Scheldekaaien）まで、トラムを延伸する計画も検討されています。

これらの開発計画によって、ボリバル広場はアントウェルペンの交通と文化の中心地として、さらに重要な役割を担うことが期待されています。

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