ボリビア国鉄DE95形ディーゼル機関車

ボリビア国鉄DE95形ディーゼル機関車

ボリビア国鉄DE95形ディーゼル機関車は、1968年に日本の業界大手、日立製作所と三菱重工業によって製造された電気式ディーゼル機関車です。この機関車は、ボリビアの厳しい鉄道条件を考慮した設計と最新技術を駆使して開発されました。そして、DE95形の増備バージョンであるDE100形についても触れていきます。

導入背景

1950年代以降、ボリビア国鉄は日本製の蒸気機関車や気動車、貨車を多く受け入れてきました。特に、1966年からは液体式ディーゼル機関車であるDH52形が導入されました。その流れの中で、ボリビア国鉄の西部鉄道用に新たに投入されたのがこのDE95形やDE100形です。

DE95形の特徴

DE95形の設計は日本国有鉄道のDF50形を基にしており、運営企業内では900形と呼ばれています。日立製作所と三菱重工業がそれぞれ10両ずつ、合計20両を製造し、1968年6月にボリビアへと輸送されました。機関車の軸配置はB-B-B型で、曲線の多い路線での走行に適しています。

これらの機関車は、ボリビアの高地における厳しい環境条件、例えば約2,800mの高低差や最大で50℃を超える温度差に対応するために設計されており、高度や大気圧の測定に基づき出力を調整する機能を有しています。また、空気密度が低い環境でも使用に耐える仕様です。さらに、主発電機や主電動機の設計は信頼性を重視しており、保守が容易となるように配慮されています。

DE95形は最大280tの貨物を牽引する力を持っており、重連運転に便利な総括制御機能も装備されています。この機能により、同じ形式の機関車同士の連結、さらには他国の機関車との連携が可能です。

塗装については、当初はクリーム色と薄い緑色のツートンカラーでしたが、1990年代にボリビア国鉄が民営化されると変更が行われました。

DE100形の拡張

DE100形は、DE95形の増備車として1978年に日立製作所と三菱重工業により計16両が製造されました。新たにMTU製のエンジンが搭載され、出力が1,470kwに向上しています。また、側面にあった採光窓は廃止され、デザインも一新されています。

運用状況

この機関車たちは主にボリビア西部鉄道で運用されており、特に標高4,000mを超える区間でその性能が発揮されています。さらに、隣国チリのチリ国鉄やイギリス資本のアントファガスタ＝ボリビア鉄道にも乗り入れており、国際的な運行を行っています。

DE100形はボリビア東部鉄道への転属もあり、その後も活発に運行され続けました。車両不足のために西部鉄道から東部鉄道へ転任させた事例もありましたが、再び元の鉄道に戻りました。

現在の状況

2020年時点での運用状況は、DE95形が5両、DE100形が12両の合計17両が現役で運行されています。しかし、スイス製の新型機関車の導入が進行中で、今後の動向が見逃せない状況です。

このように、ボリビア国鉄のDE95形とDE100形は、過酷な条件下での鉄道運行を支える重要な存在として、今なお活躍を続けています。

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