ボルボ・EX30

ボルボEX30：プレミアムコンパクトEVの挑戦

ボルボ・カーズから2023年6月、新たなコンパクトEV「EX30」が登場しました。同社最小のSUVモデルとして、環境への配慮と先進技術を融合した魅力的な一台です。

価格と販売戦略

欧州での発表価格は約36,000ユーロと、上位モデルであるXC40に近い価格帯に設定されました。ボルボは、プレミアムな電動SUVを従来のエンジン車と同等の価格で提供することを、EX30の大きな訴求ポイントとしています。2023年5月にはティザーイメージが公開され、注目を集めました。欧州市場では予約販売が開始され、同年10月には米国、11月には日本市場へと進出しました。発売以降、予想を上回る注文数を記録しており、2025年からはベルギーの工場でも増産体制が整えられる予定です。

環境性能と設計思想

EX30は、ボルボ車の中で最も低いカーボンフットプリントを実現しています。20万km走行におけるCO2排出量は、XC40と比較して25%削減されています。これは、リサイクル素材の積極的な採用、部品点数の削減によるデザイン最適化、そして製造工程におけるCO2排出量削減への取り組みなど、多角的なアプローチによる成果です。

コンパクトなボディサイズ（BセグメントCUV）は、親会社である吉利汽車が開発したSEAプラットフォームを採用することで実現しました。このプラットフォームは、他ブランドのEVモデルにも用いられている実績のあるものです。

室内空間と先進機能

インテリアはミニマルなデザインが特徴で、スイッチ類は12.3インチのセンターディスプレイに統合されています。直感的な操作性とすっきりとしたデザインは、現代的な高級感を演出しています。

インフォテイメントシステムにはGoogleのアプリとサービスが搭載され、GoogleマップやGoogleアシスタントなどを運転中に利用可能です。5G通信モジュールを内蔵しており、OTAアップデートにも対応しています。

先進運転支援システム（ADAS）も充実しています。自動駐車機能「パーク・パイロット・アシスト」、車線維持支援やACC（アダプティブ・クルーズ・コントロール）を統合した「パイロット・アシスト」、そしてドライバーの疲労や注意散漫を検知する「ドライバー・アラート・システム」などが標準装備されています。安全性能への配慮も万全です。

パワートレインと性能

駆動方式は後輪駆動（RWD）と四輪駆動（4WD）が用意され、4WDモデルは前後2基のモーターを搭載し、最高出力428hpを誇ります。0-96km/h加速はわずか3.6秒という、ボルボ史上最速の加速性能を実現しています。

バッテリーは51kWhのLFPリチウムイオンバッテリーと、69kWhのNMCリチウムイオンバッテリーの2種類が用意されています。バッテリーのプレコンディショニング機能により、充電速度と効率の向上が図られています。日本市場では、現時点（2024年2月）ではシングルモーター・エクステンデッドレンジモデルのみが販売されています。

まとめ

ボルボEX30は、環境性能、先進技術、そしてスポーティな走行性能を高い次元で融合した、魅力的なコンパクトEVです。プレミアムなブランドイメージと、価格のバランスがとれた、これからの時代にふさわしい一台と言えるでしょう。

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