Bセグメント

Bセグメント車の解説：サイズ、分類、そして国による違い

Bセグメントとは、主にヨーロッパで用いられる乗用車の分類体系におけるカテゴリーの一つです。Aセグメントよりも大きく、Cセグメントよりも小さい、中間の車格に位置づけられます。このセグメントには、セダン、ステーションワゴン、クーペ、ハッチバックなど、多様なボディスタイルの車両が含まれます。さらに、調査会社によっては、スポーツクーペ、MPV（マルチパーパスビークル）、SUV（スポーツユーティリティビークル）、CUV（クロスオーバーSUV）などもBセグメントに含める場合があります。ただし、従来の欧州における厳密な分類では、これらは別のセグメントに分類されていました。

サイズと排気量：明確な基準はない

Bセグメント車のサイズは、時代や基準によって変化します。衝突安全基準や環境規制、燃費の向上といった要因が、車両の寸法や排気量に影響を与えています。2019年時点では、全長3800mm～4200mm、全幅1695mm～1750mm、排気量1L～1.5Lのガソリンエンジン搭載車が多い傾向が見られます。しかし、サイズ、価格、装備、ブランドイメージなど、複数の要素が総合的に考慮されるため、明確な数値による定義はありません。

全長が4300mm～4500mmに及ぶセダンやステーションワゴンは、フルBセグメントまたはBCセグメントと呼ばれることもあります。ただし、これは必ずしも明確な区分ではなく、特に日本メーカーの小型セダンやステーションワゴンの中には、日本国内の道路事情や交通環境を考慮してCセグメントに分類されるものも少なくありません。

なお、ピックアップトラックやバンなどの商用車は、この乗用車セグメント分類には含まれません。

各国の分類との比較：アメリカ、イギリス、日本

Bセグメントは、国によって異なる分類体系と対応しています。アメリカではサブコンパクトカー、イギリスではスーパーミニ、日本においてはコンパクトカーがBセグメントに相当します。また、フルBセグメントまたはBCセグメントは、日本においては上級コンパクトカーに近い位置づけとなります。

しかし、2021年4月時点の日本の市場では、ダイハツ・ブーン/トヨタ・パッソ、日産・マーチなどのエントリークラスのコンパクトカーや全ての軽自動車はAセグメントに分類され、トヨタ・ヤリスや日産・ノートなどの小型モデルがBセグメント、トヨタ・カローラアクシオ/カローラフィールダーなどの比較的全長が長いモデルがフルBセグメント（BCセグメント）に分類されています。この様に、国や時代、そして車種によって分類は異なってきます。

代表的なBセグメント車

様々な自動車メーカーがBセグメントの車両を製造・販売しています。代表的な車種としては、トヨタ・ヤリス、ホンダ・フィット、フォルクスワーゲン・ポロ、フォード・フィエスタなどが挙げられます。これらは、世界中で人気のあるモデルであり、Bセグメント車の代表例として広く認識されています。しかし、これらの車種も、国や地域、そして時代によって、異なるセグメントに分類される可能性があります。

まとめ：多様な要素が絡み合う複雑な分類

Bセグメント車は、サイズ、ボディタイプ、排気量、価格、ブランドイメージなど、様々な要素によって定義される複雑なカテゴリーです。国によって分類方法が異なる点にも注意が必要で、単純なサイズだけで判断することはできません。この解説が、Bセグメント車についての理解を深める一助となれば幸いです。

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