ボレスワフ3世クシヴォウスティ

ボレスワフ3世クシヴォウスティの生涯と影響

ボレスワフ3世クシヴォウスティ（Bolesław III Krzywousty, 1085年8月20日 - 1138年10月28日）は、ポーランド大公として1102年からその死に至るまで在位し、ポーランドの歴史において重要な役割を果たしました。彼は、ヴワディスワフ1世ヘルマンとボヘミア公ヴラチスラフ2世の娘ユディタの子であり「曲唇公」と呼ばれました。彼の治世は数々の軍事遠征と政治的試みで特色づけられています。

軍事的業績と拡張政策

ボレスワフ3世は、1109年にナクロの戦いでポメレレン人を打ち破り、ポメラニアを獲得しました。この勝利により、彼はポーランド国土を拡大し、権力基盤を強化しました。また、ローマ皇帝ハインリヒ5世の軍に対しても勝利し、異母兄のズビグニェフを退けるという成功を収めました。しかし、彼の治世の後半、1135年にはロタール3世に朝貢し、リューゲン島と西部ポメラニアを奉献することとなりました。これにより、ボレスワフの地位は一時的に弱体化しました。

さらには、1132年から1135年までの間にハンガリーへの遠征を行いましたが、目立った成果を得ることはできませんでした。

終焉と国土の分割

ボレスワフ3世は、その死の直前となる1138年に遺言状を発表し、国土を4つに分割して息子たちに引き継がせることを決めました。彼はピャスト家の年長者が王位を継承し、首都をクラクフとすることを定めました。この取り決めは、ルールを厳格に守ったものの、国土の分割はすぐに無視され、ポーランドはほぼ200年にわたって分裂状態に陥りました。

家族と子女

ボレスワフは、キエフ大公スヴャトポルク2世の娘ズビスラヴァと結婚しました。彼との間には多くの子どもが生まれ、その中でもいくつかの子供たちはポーランドの重要な公爵となりました。

• - ヴワディスワフ2世（1105年 - 1159年） - シロンスク公及びポーランド大公。彼は後にサロメ・フォン・ベルク＝シェルリンゲンと再婚します。
• - レシェック（1115/16年 - 不詳）
• - リクサ（1116年 - 1156年） - スウェーデン王マグヌス1世の妃であり、彼の死後にミンスク公ヴォロダリ及びスウェーデン王スヴェルケル1世と結婚しました。
• - ボレスワフ4世（1120年 - 1173年） - マゾフシェ公、ポーランド大公。
• - ミェシュコ3世（1121年? - 1202年） - ヴィエルコポルスカ公、ポーランド大公。
• - カジミェシュ（1122年 - 1131年）
• - ゲルトルーダ（1123/24年 - 1160年） - 修道女。
• - ドブロネカ（1128年 - 不詳）
• - ユディタ（1130年/1135年 - 1171年/1175年） - ブランデンブルク辺境伯オットー1世の妃。
• - ヘンリク（1131年 - 1166年） - サンドミェシュ公。
• - アニェスカ（1137年 - 不詳） - キエフ大公ムスチスラフ2世の妃。
• - カジミェシュ2世（1138年 - 1194年） - ポーランド大公。

ボレスワフ3世クシヴォウスティの治世は、ポーランド史において国の統一と分裂、そして権力継承の方法を示す重要な時代でした。彼の政策や子女たちの活動は、後のポーランドの歴史に深く影響を与えることとなりました。

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