ボワニー分岐点

ボワニー分岐点の詳細

『ボワニー分岐点』は、1956年に製作されたアメリカ・イギリス合作の長編劇映画で、監督はジョージ・キューカーが務めています。本作は、インドの独立運動を背景に、個人の愛や葛藤を描いた作品であり、インドの文化や歴史を感じることができる映画となっています。

製作背景

映画は1955年の春から夏にかけて、イギリスのハートフォードシャーにあるMGM英国撮影所でスタジオシーンを撮影し、さらにはロンドンやパキスタンのラホールを舞台にロケーション撮影が行われました。作品のタイトルである「ボワニー分岐点」は、実際の鉄道駅に由来しています。また、この映画はフランスでも公開され、映画批評家のジャン＝リュック・ゴダールが『カイエ・デュ・シネマ』で1956年のベスト映画として第9位に選んだことでも知られています。

ストーリー概要

物語は、イギリスの植民地支配が続く中、インディアンにより国民会議派を中心にした独立運動が盛り上がるインドを舞台に展開されます。ボワニー駅に赴任してきた鉄道警備隊の司令官ロドニー・サヴェージ中佐（演：スチュワート・グレンジャー）と、同じくボワニー駅に降り立った女性軍人ヴィクトリア・ジョーンズ少尉（演：エヴァ・ガードナー）の運命が交差していきます。

まず、物語の初めにヴィクトリアとその婚約者パトリック・テイラー（演：ビル・トラヴァース）の間で、彼らの混血に関する葛藤が描かれます。パトリックは自身の英国人としての血を誇りに思う一方、ヴィクトリアはインドの血に誇りを持ちながらも、そのことが二人の愛に難題をもたらします。互いの思いが複雑に絡み合い、最終的に二人は別れを決意します。

その後、ヴィクトリアはロドニーの部隊に配属され、駅での脱線事故に直面します。時を同じくして、ボワニー駅では暴動が発生。グラハム・マクダニエル大尉（演：ライオネル・ジェフリーズ）がヴィクトリアに襲いかかり、彼女は抵抗の末に彼を射殺してしまいます。この事件をきっかけに、ヴィクトリアは逃亡し、同じ部隊のインド人マシュー（演：フランシス・マシューズ）の家に匿われることになりますが、そこは実際には暴力革命主義者のアジトだったのです。

拘束されそうになるヴィクトリアを救ったのはロドニーでしたが、彼女は密告によって暴力集団の存在を知らせます。しかし、その後、ヴィクトリアは再び暴力集団に捕らわれてしまいます。ロドニーは彼女を救うため、爆弾が仕掛けられたトンネルを発見することになります。この爆弾は、無抵抗の象徴であるガンジーの列車を狙ったものであり、ヴィクトリアも同じ列車に監禁されていました。物語は、ロドニーがガンジーとヴィクトリアを救い出すクライマックスへと進んでいきます。

スタッフとキャスト

本作は、ジョージ・キューカーが監督をした他、脚本はソニア・レヴィンとアイヴァン・モファットが手がけ、撮影監督はフレディ・A・ヤングが務めました。音楽はミクロス・ローザが担当し、映画はイーストマンカラーで35ミリフィルム（シネマスコープ）で撮影されています。キャストには、以下のような有名な俳優たちが含まれます。

• - エヴァ・ガードナー - ヴィクトリア・ジョーンズ少尉
• - スチュワート・グレンジャー - ロドニー・サヴェージ中佐
• - ビル・トラヴァース - パトリック・テイラー
• - ライオネル・ジェフリーズ - グラハム・マクダニエル大尉

誰もが感じる愛と葛藤の中で、歴史的な背景を融合させた壮大なドラマをぜひご観賞ください。

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