ボーイズライフ

ボーイズライフ：昭和の少年心を掴んだ月刊誌

1963年から1969年まで小学館より発行された『ボーイズライフ』は、中学生以上の男子をターゲットとした総合雑誌でした。他の少年誌が休刊する中、新たな魅力を求めた少年たちを惹きつけ、昭和の青春時代を彩る一冊として記憶されています。

冒険と謎に満ちた世界

『ボーイズライフ』の大きな特徴は、読み物に重点を置いた編集方針でした。創刊号には白土三平の漫画「ざしきわらし」が掲載されたものの、雑誌の中心は小説やノンフィクションでした。少年たちの冒険心をくすぐる冒険小説やアクション小説は人気を博し、生島治郎の「ふり返らずに、走れ！」や大藪春彦の「血まみれの野獣」といった作品が掲載されました。

また、宇宙人やアンドロイドといったSF的な題材や、ベトナム戦争といった社会問題、そして秘境探検といった冒険的なノンフィクションも充実していました。当時、子どもたちにとって未知の世界であった宇宙や未開の土地への興味を刺激する内容が満載で、読者の好奇心を満たす工夫が凝らされていました。地球空洞説といった、謎解き的な要素を含む記事も多く、知的好奇心を刺激する記事も数多く掲載されていました。

豪華作家陣と多彩な漫画

『ボーイズライフ』には、多くの著名な漫画家が作品を提供していました。白土三平の『三平劇場』、横山光輝の『片目猿』、石森章太郎の『超人たち』、赤塚不二夫の『いじわる教授』、『おそ松くん』、藤子不二雄の『オバケのQ太郎』、さいとうたかをの『007シリーズ』など、現在でも高い人気を誇る作家たちの作品が掲載されていました。これらの作品は、当時の少年たちの間で大きな話題となり、雑誌の大きな魅力の一つとなっていました。掲載漫画は多様なジャンルに渡り、少年層の広い興味に対応していました。

さらに、漫画の連載以外にも、単発の読み切り作品も多数掲載されていました。これらは、様々な作家の個性豊かな作品を楽しむことができ、読者にとって新鮮な魅力となっていたと考えられます。

短命に終わった『カムイ伝』との合併構想

興味深いエピソードとして、小学館は白土三平の代表作である『カムイ伝』を掲載する『月刊漫画ガロ』を買収し、『ボーイズライフ』と合併して新雑誌を創刊する計画を立てていたことがあります。しかし、この計画は実現せず、代わりに『ビッグコミック』が創刊されることとなります。『ビッグコミック』創刊号には、かつて『ボーイズライフ』掲載予定だった「野犬」が掲載され、この構想が間接的に『ビッグコミック』の誕生に繋がったと言えるでしょう。

短いながらも輝いた歴史

『ボーイズライフ』は1969年8月号で休刊、その後『週刊ポスト』に吸収されました。わずか6年間の発行期間でしたが、その間に多くの少年たちの心を掴み、昭和の少年文化に大きな足跡を残しました。冒険小説、ノンフィクション、そして多彩な漫画が織りなす世界は、多くの読者にとって忘れられない思い出となっていることでしょう。休刊後も、その存在は、多くの読者の記憶の中で生き続けています。

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