ボーイング ビジネスジェット

ボーイング ビジネスジェット (BBJ) とは

ボーイング ビジネスジェット（BBJ）は、ボーイング社の旅客機をベースに開発されたビジネスジェット機のシリーズです。その最大の特徴は、旅客機をベースにしているため、広々とした空間と長距離飛行能力を備えている点です。BBJは、豪華な内装と快適な居住性を誇り、プライベートジェットとしてだけでなく、政府要人輸送機としても広く利用されています。

モデルの種類

BBJには、ナローボディ機とワイドボディ機の2つのカテゴリーがあります。

ナローボディ機

BBJ (BBJ1): 737-700をベースにした最初のモデル。アメリカ海軍ではC-40Bクリッパーとして運用されています。
BBJ2: 737-800をベースにし、BBJよりもキャビンが25%広くなっています。
BBJ3: 737-900ERをベースにしたモデル。
BBJ C: 737-700Cの「素早い換装」機能を持つモデルで、乗客輸送と貨物輸送の両方に対応できます。
BBJ MAX8/MAX9: 最新の737MAXシリーズをベースに、燃費効率を向上させたモデル。航続距離が長く、運航コストも抑えられています。

ワイドボディ機

BBJ 747-8: 747-8をベースにしたモデル。100人の乗客を乗せて長距離飛行が可能です。
BBJ 777: 777をベースにしたモデル。200LRベースと300ERベースの2種類があります。2018年12月にBBJ777Xにモデルチェンジしました。
BBJ 777X: 777Xをベースにした最新モデルで、さらに航続距離が伸びています。
* BBJ 787: 787をベースにしたモデル。長距離飛行と快適な居住性を両立しています。

特徴と性能

BBJは、その広いキャビン空間を活かし、寝室、シャワールーム、リビング、ダイニング、会議室などを備えた豪華な内装が可能です。また、補助燃料タンクを追加することで、長距離飛行を実現しています。

ナローボディ機の初期モデルでは、内装の重量が問題となり航続距離がスペックどおりにならないこともありましたが、技術革新によって内装の軽量化が進み、改善されています。

BBJの運航コストは、同クラスのビジネスジェットと比較してやや高めですが、その輸送能力と快適性から多くの顧客に選ばれています。

運用状況

BBJは、当初はフォーチュン100企業を中心に利用されていましたが、2008年の景気後退で売却されることもありました。現在では、大企業の重役や富裕層のプライベートジェットとしての利用が主流です。また、政府要人輸送機としての需要も高く、多くの国で採用されています。

競合機

BBJの競合機としては、エアバス コーポレートジェット（ACJ）シリーズや、エンブラエル リネージュ 1000、ボンバルディア グローバル・エクスプレス、ガルフストリーム G550/G650などがあります。

運用コスト

BBJの運航コストは、1海里あたり約9.57～10.13ドルと、競合機と比較してやや高めです。燃料消費量も多く、例えばマッハ0.82で飛行すると1時間あたり2,600kgの燃料を消費します。しかし、エンジンメンテナンスコストは、ロールス・ロイス製のエンジンを搭載した競合機よりも安いという特徴があります。また、機体寿命はビジネスジェット専用機よりも長いという利点もあります。

まとめ

BBJは、その広大なキャビンと長距離飛行能力から、ビジネスジェット市場において独自の地位を確立しています。プライベートジェットとしての豪華な利用だけでなく、政府要人輸送やその他の目的に合わせた柔軟な活用が可能です。今後も、その高い性能と快適性により、多くの顧客に支持されることでしょう。

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