ポエッツワード

ポエッツワード：遅咲きの才能が花開いた競走馬の物語

アイルランドで生まれ、イギリスで調教された競走馬、ポエッツワード。その競走馬としてのキャリア、そして種牡馬としての新たな道を歩むまでの道のりは、遅咲きの才能が花開いたドラマティックな物語と言えるでしょう。

2015年10月、名門マイケル・スタウト厩舎からデビュー。しかし、その才能が開花するまでには時間がかかりました。初勝利は3歳5月と遅く、3歳時には重賞レースへの出走すら叶わず、将来を嘱望されるほどの活躍はしていませんでした。

転機が訪れたのは4歳。重賞初制覇を果たすと、勢いに乗って愛チャンピオンステークス、英チャンピオンステークスと主要レースで2着と好成績を収めます。年末には香港カップに挑戦しましたが、6着に終わり、シーズンを終えました。

真価を発揮したのは5歳時。シーズン初戦のドバイシーマクラシックではGIで2着に入ると、続くプリンスオブウェールズステークスで、当時大本命だったクラックスマンを2馬身1/4差で下し、念願のGI初制覇を達成。勢いに乗って挑んだキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでも、クリスタルオーシャンとの接戦を制し、見事勝利を収めました。このレースでは2着のクリスタルオーシャンと3着のコロネットに9馬身もの差をつける圧勝劇となりました。

続くインターナショナルステークスには、英2000ギニー馬サクソンウォリアー、エクリプスステークス勝ち馬ロアリングライオンなど、錚々たるメンバーが出走。ポエッツワードは1番人気に支持されましたが、結果はロアリングライオンに敗れ2着。

その後は英チャンピオンステークスを目指して調整されていましたが、9月18日に脚の故障により、年内の戦線離脱が発表され、翌月には現役引退と種牡馬入りが決定しました。

2019年からイギリスのシャドウェルスタッドで種牡馬としてのキャリアをスタート。初年度の種付け料は7000ポンドと設定されました。しかし、晩成型長距離馬の需要低迷という厳しい状況の中、2020年にはアイルランドのボーズミルスタッドに移籍し、障害競走用の種牡馬として新たな道を歩み始めました。

ポエッツワードの競走馬としてのキャリアは、遅咲きの才能が開花した、まさに努力の結晶と言えるでしょう。数々の重賞レースでの活躍、そしてGIレース制覇という輝かしい実績は、多くの競走馬ファンに感動と勇気を与え続けました。種牡馬として第二のキャリアを歩む彼に、今後の活躍を期待せずにはいられません。

彼の血統背景、詳細な競走成績については、Irish Racing.com、netkeiba.com、JBISサーチ、Racing Postなどのサイトで確認できます。

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