ポエティックフレア

ポエティックフレア：輝かしい競走馬人生と新たな挑戦

2018年3月26日生まれのアイルランド産競走馬、ポエティックフレア。その名は、彼の華麗な競走生活と、父との絆を象徴するかのような響きを持っています。ジム・ボルジャー調教師によって生産され、ボルジャー一族の深い関わりの中で育まれたポエティックフレアは、数々の栄光を掴み、日本の社台スタリオンステーションで種牡馬として第二のキャリアをスタートさせました。

ボルジャー一族と血統：競走馬への情熱

ポエティックフレアの誕生は、ボルジャー一族の競走馬への長年の情熱の結晶でした。父は種牡馬ドーンアプローチ、母は繁殖牝馬マリアリーと、いずれもボルジャーの自家生産馬。さらに遡ると、2代前の父父ニューアプローチ、父母ヒムオブザドーン、2代母エリーダもボルジャーが調教師を務めた競走馬です。この血統背景、そしてボルジャー夫人による所有、甥による育成、ボルジャー自身による調教という体制は、まさにボルジャー一族の総力戦。レーシングポスト紙のスティーヴ・デニスは、ポエティックフレアを「ボルジャー・インコーポレイテッドの縮図」と評しました。主戦騎手はボルジャーの娘婿であるケヴィン・マニングが務めました。

2歳時：最初の勝利とG1挑戦

2020年、2歳時の初勝利はアイルランド・ネース競馬場での2歳未勝利戦。2018年生まれのサラブレッドとしてアイルランドで最初の勝利を挙げました。その後、COVID-19の影響による開催中止や成長への配慮から長期休養。10月にはデューハーストステークス（G1）に挑戦するも10着に終わりました。しかし、続くキラヴランステークス（G3）を制し、2歳シーズンを終えました。

3歳時：G1競走7連戦のドラマ

3歳時は、まさにポエティックフレアの真価が問われた時期でした。まず、アイリッシュ2000ギニートライアルステークスで勝利し、勢いに乗って挑んだ2000ギニーステークス（G1）では、接戦を制しG1初制覇。父ドーンアプローチとの父仔制覇という快挙を達成しました。ボルジャー調教師は「ニューマーケットの2000ギニーは世界最高の競走です」と喜びを語りました。

しかし、続くフランスの2000ギニー（プールデッセデプーラン）では6着と敗退。その後、アイリッシュ2000ギニーで2着、とクラシック競走を3戦する過密日程となりました。しかし、彼は決して諦めませんでした。

ロイヤルアスコット開催のセントジェームズパレスステークス（G1）では、圧巻の4馬身1/4差の勝利を収め、再びG1制覇。この着差は21世紀における同競走の最大着差となり、再び父ドーンアプローチとの父仔制覇を達成しました。

この後もG1競走挑戦は続き、サセックスステークス2着、ジャックルマロワ賞2着、そしてアイリッシュチャンピオンステークス3着と、G1競走7連戦を戦い抜きました。その粘り強さは、「アイアンホース2世」と評されるほどでした。

引退と種牡馬入り

アイリッシュチャンピオンステークスを最後に現役を引退。日本の社台スタリオンステーションで種牡馬としての道を歩み始めました。ボルジャー調教師は、当初はアイルランドでの種牡馬入りを希望していましたが、より広い視野に立った決断だったと言えるでしょう。

ポエティックフレアの評価

ポエティックフレアは、良馬場を好み、重馬場ではパフォーマンスが低下する傾向がありました。G1競走7連戦、2勝2着3回3着1回という輝かしい戦績は、その実力の証です。世界ランキングでも上位に位置づけられ、その名は世界中に知れ渡りました。

ポエティックフレアは、競走馬としての輝かしい功績だけでなく、その粘り強さ、不屈の精神、そして父との深い絆によって、多くの競馬ファンに感動と記憶を与え続けています。彼の種牡馬としての活躍にも期待が高まります。

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