ポケットバイク

ポケットバイク：小さなマシン、大きな夢

ポケットバイク、通称ポケバイは、1970年代半ばに日本で生まれたミニチュアサイズのオートバイです。その小さな車体からは想像もできないほど、モータースポーツ界に大きな影響を与えてきました。

誕生と発展

ポケットバイクの起源は、フキ・プランニングの創業者である畔柳富士夫氏による発明・販売に遡ります。特許は取得しませんでしたが、4インチホイールの小型バイクという、画期的なコンセプトで多くの子供たち、そして将来のトップライダーを魅了しました。初期のポケットバイクは、680mm以下のホイールベースを持つリジットフレーム構造が特徴でした。この規格に基づいたレースが盛んに行われ、後にタイヤサイズなどが拡大されたモデルが登場するなど、進化を遂げていきます。中でも、加藤大治郎選手の父である加藤隆氏が中心となって開発した「74Daijiro」は、日本で絶大な人気を誇りました。

キッズモータースポーツの登竜門

子供でも簡単に扱えることから、ポケットバイクはキッズモータースポーツの入門カテゴリーとして、爆発的な人気を博しました。全国各地で多くのレースが開催され、そこから数々のロードレース世界チャンピオンが誕生しています。青木三兄弟（宣篤、拓磨、治親）、青山兄弟（周平、博一）、宇川徹、加藤大治郎、小山知良、高橋裕紀、中野真矢、原田哲也、松戸直樹といった、世界で活躍する名だたるライダーたちが、ポケットバイクでキャリアをスタートさせたのです。日本の子供たちの夢を乗せて、ポケットバイクブームは世界へと広がりを見せ、ヨーロッパやアメリカでも人気を博するようになりました。

レースとステップアップ

ポケットバイクレースは、子供向けと大人向けに大別されます。子供向けのレースは、3歳から参戦可能なシリーズもあり、モータースポーツへの最初のステップとして最適です。多くのライダーは9歳頃までにミニバイクへとステップアップし、最終的にはフルサイズのオートバイによるレースへと挑戦していきます。一方、大人向けのレースも不定期開催されています。

公道走行の不可とメーカー

ポケットバイクは、道路運送車両法の保安基準を満たしていないため、公道での走行はできません。これは、安全性の確保という観点から重要な点です。

主なメーカーとしては、日本のフキ・プランニング、かつては日本ライフ社（2013年倒産）、デルタ・エンタープライズ、イタリアのGRCmoto、Polini motori、チェコのBlataなどがあります。これらのメーカーは、性能やデザインにおいて様々なモデルを提供し、市場を盛り上げてきました。

ポケットバイクの未来

小さなマシンから世界へと羽ばたいていくライダーの姿は、多くの人の心を掴んで離しません。ポケットバイクは、単なる乗り物ではなく、夢を育むための重要なツールであり続けています。今後も、世界中の子供たちが、この小さなマシンから大きな夢を叶える姿を期待したいです。 そして、技術革新によって、より安全で、より魅力的なポケットバイクが開発されていくことを願っています。

脚注

出典は省略

関連項目

全日本ポケットバイク選手権
* おれのサーキット（ポケバイを題材としたレース漫画）

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