ポケットプリンタ

ポケットプリンタ (Pocket Printer)

ポケットプリンタは、1998年2月21日に任天堂から登場したゲームボーイ用のプリンターです。このデバイスは、ゲームボーイと接続することで、従来のゲーム機には存在しなかった紙媒体への出力を実現しました。海外では「Game Boy Printer」として知られています。

機能と仕様

ポケットプリンタは、ゲームボーイに取り付けることで、撮影した画像やゲーム内のデータを印刷できる機能を持っています。印刷サイズは、通常の1枚サイズに加えて、複数ページを繋げた縦長サイズにも対応しています。また、印刷用紙は専用の感熱紙で、一般的なロール状のものが使用されています。印刷可能なカラーは、黄色・黒、青・黒、および白色・セピアの3種類があり、基本セットには黄色・黒の用紙が含まれていました。単品の用紙は約500円で入手できました。

このプリンタは、印刷した画像の裏面がシールになっており、流行していたプリント倶楽部などのシール印刷機のように、貼り付けて楽しむことができるのも特徴です。しかし、印刷はモノクロに限られ、ゲームボーイ本体と同じ160ドットの解像度であるため、高品質な画像出力は期待できません。また、電源として単三乾電池6本を必要とし、コストパフォーマンスの面でも不満が残ることが多かったため、ポケットプリンタ自体はあまり注目されませんでした。これにより、市場における寿命が短くなった理由の一つです。

対応ソフト

ポケットプリンタは、特定のゲームと連携して機能するため、専用のソフトを必要とします。主な対応ソフトウェアには、『ポケットカメラ』や『ポケモン ピカチュウ』があります。特に『ポケモン ピカチュウ』では、ポケモン図鑑やその他のデータが印刷可能で、プリンタを使用することでしか得られない隠し画像も存在しました。その他にも、多様なタイトルが対応しており、印刷できる内容は非常に多岐にわたります。

限定モデルと市場での評価

ポケットプリンタには、特別なカラーリングバージョンとして「ピカチュウバージョン」が存在します。このバージョンは、特にポケモンファンに人気を博しましたが、全体的な動向としては、印刷品質の低さや短期間での製品寿命により、消費者からの注目は限定的でした。

結論

ポケットプリンタは、任天堂のゲームボーイのエコシステムにおいてユニークな存在でしたが、様々な理由から市場での影響は限定的でした。特に当時のプレイヤーは、ゲームの新たな楽しみ方を模索しており、ポケットプリンタはその一環として興味を引くものでしたが、限られた機能性や価格面での障壁から大ヒットには至りませんでした。このプリンタは、ゲームと物理的な世界を結ぶ架け橋のような存在だったものの、実用性の低さにより、時代の波に乗り切れなかったと言えるでしょう。

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