ポジー

ポジー：一口馬主時代のシンデレラストーリー

1990年3月10日生まれのポジーは、日本の競走馬、そして繁殖牝馬として、数々のドラマを刻んだ名馬です。その馬名は英語で「花束」を意味し、その愛らしい響きと、栗毛の美しい馬体から、多くのファンを魅了しました。一口馬主クラブ、キャロットファームの所有馬として、初期の活躍馬の一頭として名を馳せました。

ポジーの競走生活は、1993年5月15日、京都競馬場での4歳未勝利戦で幕を開けました。北沢伸也騎手を背に、8番人気という低評価を覆し、2着に1馬身半差をつける圧勝劇でデビューを飾ります。その後は、条件戦で浮き沈みを繰り返しながらも、着実に経験を積んでいきました。

転機が訪れたのは6歳。4戦目の準オープン戦・梅田ステークスで、キョウトシチーやオースミレパードといった強豪を相手に勝利し、オープン入りを果たします。そして迎えたオープン昇格2戦目、摩耶ステークスでオープン戦初勝利を挙げ、その実力を証明しました。

続く函館記念では、ホクトベガやレガシーワールドといったGI優勝馬、そしてマチカネタンホイザ、トロットサンダーといった重賞の常連馬相手に5着と健闘。オープン戦での活躍は、ポジーのポテンシャルの高さを示すものとなりました。

秋にはUHB杯に挑戦。6番人気という低評価ながら、見事な末脚でアラタマワンダーをアタマ差抑え、芝コースでの初勝利を飾ります。続く神無月ステークスでは1番人気に応え、イブキクラッシュに2馬身差をつけて圧勝。オープン3勝目を挙げ、その実力と人気を不動のものにしました。

そして、ポジーにとって最大の舞台、天皇賞（秋）への挑戦。GI初挑戦となるこのレースでは、サクラチトセオーら強豪相手に12番人気と低評価でしたが、5着と健闘。勝馬からわずか0.2秒差という好成績は、ポジーの潜在能力の高さを改めて示しました。

しかし、天皇賞以降は蓄膿症の影響もあり、成績は下降線を辿ります。オープン特別戦で好走する場面もありましたが、以前のような輝きは失われ、8歳夏のUHB杯10着を最後に現役を引退しました。

引退後は、北海道新冠町の田端牧場で功労馬として余生を送り、2016年12月13日、老衰のためこの世を去りました。

ポジーは、ダートから芝へと活躍の場を広げ、オープン特別からGIレースまで挑戦した、実力と人気を兼ね備えた名馬でした。一口馬主クラブの所有馬として、多くのファンに愛され、その活躍は、多くの人の記憶に深く刻まれています。彼女の功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

競走成績（抜粋）

詳細な競走成績は、netkeiba.com、JBISサーチ等で確認できます。

血統

ポジーの曾祖母カコガワクインの孫には、ヤエノダイヤ（1988年神戸新聞杯GII勝ち馬）がいます。

関連情報

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鮫川啓一牧場＆ポジー

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