ポストペイ型電子マネー

ポストペイ型電子マネーについて

ポストペイ型電子マネーとは、後払い方式の決済システムを応用したプリペイド型の電子決済手段です。この方式は、利用前にチャージが必要なプリペイド型電子マネーと異なり、後から利用金額が請求されるポストペイ方式の特徴を持ちつつ、事前にチャージした金額内で利用できるという利便性を兼ね備えています。

概要

2005年、ソニー（現ソニーグループ）が開発したFeliCa技術を採用し、QUICPayとiDがポストペイ型の電子決済手段として登場しました。これらはクレジットカードのように後から請求されるクレジット決済の一種でした。

その後、2016年にiDプリペイド、2017年にはQUICPay+が登場し、プリペイド方式に対応しました。これらのプリペイド型は、従来のFeliCaを用いたプリペイド型電子マネーとは異なり、チャージ残高をサーバーに記録する点が大きな違いです。

方式の違い

従来のFeliCa採用のプリペイド型電子マネーは、カードや携帯電話にチャージ残高を記録していました。一方、ポストペイ型は、クレジットカードと同様に信用照会を行い決済します。

ポストペイ型を応用したプリペイド型では、チャージ残高はサーバーに記録されます。この点が、従来のプリペイド型との大きな違いです。

日本での歴史

日本では、2001年にビットワレット（後の楽天Edy）がEdyを開始しましたが、クレジットカード会社もリテール決済市場への参入を目指し、ポストペイ型の電子決済手段を導入しました。携帯電話にFeliCaが搭載されたことで、通信事業者もポストペイ型に参入しました。

法的位置付け

プリペイド型電子マネーは、資金決済法上の「前払式支払手段」に該当します。一方、ポストペイ型は、支払方法によっては割賦販売法上の「包括信用購入あつせん」に該当する場合があります。

利用方法

決済は、加盟店の端末にカードや携帯電話をかざすだけで完了します。ポストペイ型は、基本的にクレジットカードに付帯するサービスとして提供され、利用代金はクレジットカードの請求と合算されますが、クレジットカードが不要なものもあります。ポストペイ型なので、利用前にチャージは不要です。

ポストペイ型を応用したプリペイド型は、プリペイドカードに付帯するサービスとして提供されることが多いですが、プリペイドカードが不要なものもあります。この場合は、利用前にチャージが必要です。

日本の主なポストペイ型電子決済手段

PiTaPa（スルッとKANSAI）
iD（NTTドコモ）
QUICPay（ジェーシービー）
QUICPay+（ジェーシービー）

過去に存在したポストペイ型電子決済手段

Smartplus（三菱UFJニコス）
Visa Touch（Visa）

クレジットカードを必要としないポストペイ型電子決済手段

ポストペイ型は、クレジットカードに付帯する形で提供されることが多いですが、クレジットカードを必要としないものも存在します。ただし、クレジットカードと同様の審査がある点は変わりません。

PiTaPa
PiTaPaベーシックカード
保証金預託制PiTaPaカード
OSAKA PiTaPa LiTEカード
STACIA PiTaPa NCカード
KOBE PiTaPa STACIA NCカード（新規受付終了）
iD
d払い(iD)
QUICPay
おサイフくんQUICPay
トレッサスタイルカードプラス

プリペイドカードを必要としないポストペイ型を応用したプリペイド型電子決済手段

スマートフォンのアプリから仮想プリペイドカードを発行することで、物理的なプリペイドカードなしで利用できるサービスもあります。

iDプリペイド
Vポイント残高
TOYOTA Wallet残高
はまPay
メルペイ
Visa LINE Payプリペイドカード
ソフトバンクカード
QUICPay+
6gram
Kyash Card Virtual

関連項目

ETC: 車載器と無線通信で決済するシステム。クレジットカードに付帯する場合が多いが、不要な場合もあります。

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