信用照会

信用照会とは

信用照会とは、クレジットカード加盟店が、商品の購入者がクレジットカードを提示した際に、そのカードが利用可能かどうかをカード発行会社に確認する手続きです。これは、不正利用を防ぎ、安全な取引を確保するために不可欠なプロセスです。

信用照会は、オーソリゼーションやオーソリゼーション・リクエストとも呼ばれます。加盟店は、この照会なしにカード決済を受け付けることは原則としてできません。もし、信用照会ルールを無視して不正利用が発生した場合、加盟店やその管理会社は支払いを拒否されることがあります（チャージバック）。一方で、カード発行会社は、承認した取引については全責任を負います。

信用照会の目的と内容

信用照会の主な目的は、偽造カードや盗難カード、期限切れのカードなどによる不正利用を防ぐことです。具体的には、以下の内容がチェックされます。

カードの有効性: 提示されたカードが有効期限内であり、利用停止になっていないかを確認します。
利用限度額: カードの利用限度額を超えていないかを確認します。
加盟店の適格性: 加盟店が不正な取引を行うリスクのある不良加盟店ではないかを確認します。

これらのチェックをクリアした場合のみ、カード決済が承認されます。

信用照会業務の変遷

初期の信用照会は、加盟店がカード会社に電話で照会し、カード会社が手作業で伝票を確認するというものでした。そのため、非常に手間と時間がかかり、業務効率の悪さが課題でした。しかし、コンピュータの導入、通信インフラの整備、信用照会端末の普及などにより、業務は徐々に機械化され、効率化が進みました。

現在では、以下のようなシステムが利用されています。

VISA: BASE I、BASE II
MasterCard: BANKNET
日本: CAFIS、CARDNETなど

フロアリミットについて

フロアリミットとは、一定金額以下のカード利用については信用照会を省略できる制度です。この金額は加盟店ごとに設定されることがあります。本来、すべての取引に対して信用照会を行うのが理想的ですが、信用照会にはコストがかかり、また、システムへの負荷も大きいため、この制度が設けられました。

フロアリミットをゼロに設定し、すべての取引で信用照会を行うことをゼロフロアリミットまたは全件オーソリと言います。ブランドデビットカードやブランドプリペイドカードでは、原則としてゼロフロアリミットが適用されます。また、2021年以降、国際ブランド各社は特定の業種を除き、ゼロフロアリミットを義務化する方向に進んでいます。

ゼロフロアリミットが適用されるカードは、信用照会を省略できるリスクのあるインプリンターによる決済ができないように、エンボス加工がされていないことが多いです。

まとめ

信用照会は、クレジットカード決済における安全性を確保するために不可欠な手続きです。技術の進歩とともに、その業務は効率化されてきましたが、不正利用の防止という重要な役割は変わっていません。フロアリミットの設定は、コストと安全性のバランスを考慮した上で、適切に運用される必要があります。

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