ポストマン (1997年の映画)

『ポストマン』

『ポストマン』（原題: The Postman）は、1997年に公開されたアメリカの映画で、監督を務めたのはケビン・コスナーです。この作品は、デイヴィッド・ブリンのSF小説『ポストマン』を原作としており、独特な世界観とテーマが特徴です。コスナーにとっては、彼の監督デビュー作『ダンス・ウィズ・ウルブズ』以来、7年ぶりの監督作品となりました。

概要

映画は、原作小説の第1部に基づいていますが、ストーリーの進行や登場人物に関しては、多くの改変が施されています。オリジナルの小説では、国家やジェンダーについての複雑なテーマが扱われていますが、映画版ではそれらの要素はほとんど排除され、別の作品として仕上がっています。このため、視聴者は原作と映画を区別する必要があります。

コスナー本人が演じた郵便配達夫が登場するシーンでは、彼の息子が少年役として出演しており、家族が共演する一幕も見逃せません。また、コスナーの2人の娘も映画に登場し、彼の家族との絆を象徴的に示しています。

あらすじ

物語は、2013年の近未来、戦争によって荒廃した世界を舞台にしています。この時代、人々は独裁者が支配するテロリストによる恐怖の中で生活しており、自由が奪われた状況に苦しんでいます。そんな中、旅を続ける男が偶然にも郵便配達の車を見つけ、彼自身もポストマンとなる運命を辿ります。

彼は、配達を通じて人々とのコミュニケーションを再生させ、希望を取り戻す一助となろうとします。物語は、郵便が運ぶメッセージがどれほど人々に影響を与えるかを描いており、主人公の成長や人間関係の再構築が中心テーマです。

キャストとスタッフ

映画の制作には、ケビン・コスナーだけでなく、製作陣も多くが参加しています。製作は、ジム・ウィルソンとスティーヴ・ティッシュが手掛けており、脚本はブライアン・ヘルゲランドとエリック・ロスが担当しました。撮影をスティーヴン・F・ウィンドンが、音楽はジェームズ・ニュートン・ハワードが担当し、視覚と聴覚の両方で観客を魅了します。また、美術をアイダ・ランダム、編集をピーター・ボイルがそれぞれ手がけ、衣装デザインをジョン・ブルームフィールドが担当しています。

評価

しかし、映画は興行的には成功せず、批評家の評価も分かれました。レビューサイトRotten Tomatoesでは、36件のレビューから支持率は8%にとどまり、平均点は4.00/10という結果に。Metacriticでも、14件のレビューを基にした加重平均値は29/100と振るわない評価となりました。

賞歴

この作品は、第18回ゴールデンラズベリー賞にもノミネートされるなど、賞レースでも話題となりました。

『ポストマン』は、単なる娯楽作品にとどまらず、社会的なメッセージを秘めた作品として、今もなお観る者に問いかける内容となっています。

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