ポット・サーラシン

ポット・サーラシン（タイ語：พจน์ สารสิน, 1905年3月25日 - 2000年9月28日）は、タイ王国の政治家であり、外交官としても活躍しました。特に1957年9月から同年12月までの短期間、首相を務めたことで知られています。

生い立ちと教育

1905年、ポット・サーラシンはバンコクで、アメリカの商人であり地主でもあった華人の家庭に生まれました。幼少期にはバンコク基督教学校で学び、その後アメリカに留学。マサチューセッツ州にある名門校、ウィルブラハム＆モンソンアカデミーで教育を受けました。さらに、イギリスに渡り法律を学び、法廷弁護士の資格を取得しました。

弁護士としてのキャリア

1933年から1945年までの間、ポットはバンコクで弁護士として活動し、その卓越した法律知識と弁護士としての能力を発揮しました。

政治への関与

ポットは、プレーク・ピブーンソンクラーム首相と親交があり、ピブーンが一時的に失脚していた際には経済的な支援を行いました。このことが縁となり、ピブーンが1948年に首相に復帰すると、ポットは外務副大臣に任命され、政治の世界へと足を踏み入れました。翌1949年には外務大臣に昇進しましたが、ピブーンとの意見の相違から翌年辞任。その後、駐米タイ大使としてアメリカに赴任しました。

首相就任とその背景

1957年、サリット・タナラットによるクーデターによってピブーン政権が崩壊すると、サリットはポットを後継の首相に選びました。この人選の背景には、ポットがアメリカ留学の経験を持つ外交官であり、アメリカとの良好な関係を築いていたことが大きく影響しています。当時のタイは、アメリカとの関係を重視しており、国際的な信頼が厚いポットがその役割を担うのに適任だと考えられました。

短期政権とその後

1957年12月、選挙が行われたことに伴い、ポットは首相の職を辞任しました。首相の任期は短期間でしたが、その間にタイの政治的安定に貢献しました。首相退任後、ポットは東南アジア条約機構（SEATO）の事務総長に就任し、国際的な舞台で活躍を続けました。

まとめ

ポット・サーラシンは、外交官、政治家としてタイの歴史において重要な役割を果たした人物です。アメリカでの教育と国際的な経験を活かし、タイの政治と外交に貢献しました。彼の生涯は、国際的な視点を持つことの重要性を示しており、後世に大きな影響を与えました。

関連項目

* タイの首相

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