ポテ 630

Potez 630の概要

Potez 630は、フランスのポテーズ社によって開発された双発の多目的戦闘機であり、1930年代の航空機開発の流行に影響されて誕生しました。フランス航空省は1934年に2/3座の双発機の開発仕様を提示し、これに応じてポテーズ社は試作契約を取得し、1936年に初飛行を果たしました。この機体は、フランス空軍における重要な戦闘機となりましたが、大戦中の性能はそれほど高くなかったことが後に明らかになりました。

当初、Potez 630はイスパノスイザ14AB10エンジンを搭載していましたが、パフォーマンスの不足から、ノームローン14Mにエンジンが改良されたポテ 631型が開発されました。この新型機は1937年3月に初飛行し、1938年2月から量産が開始され、最終的に88機が完成しました。ポテ 631は1939年から部隊に配属されることとなりましたが、1940年には性能が限界に達し、夜間戦闘や対地攻撃、偵察任務に使用されるようになりました。

第二次世界大戦中、ドイツ軍の侵攻時には、フランスの8個の飛行隊がPotez 631を装備していましたが、あまり目立った戦果はあげられませんでした。最終的には215機が生産され、そのうちの1機はユーゴスラビアに輸出されました。停戦後はヴィシー政権およびドイツ軍に徴用され、特にドイツ軍では練習機として使われました。

この機体の特徴的なデザインは、ドイツのメッサーシュミット Bf110と似ており、よく混同されることもありました。Potez 630は、その使用目的に応じて様々な型が生まれました。具体的には、爆撃機型のPotez 633、練習機型のPotez 634、偵察機型のPotez 637などがあります。これらの派生機は、それぞれ異なる任務に対応するために設計されました。

主要な性能諸元

• - 全長: 11.07 m
• - 全幅: 16.0 m
• - 全高: 3.08 m
• - 全備重量: 3,916 kg
• - エンジン: ノームローン14M6/7空冷14気筒660 hp
• - 最大速度: 460 km/h
• - 航続距離: 1,225 km
• - 武装: 20mm機関砲×2または7.5mm機銃×6（前方固定）、7.5mm機銃×1（後方旋回）
• - 乗員: 3名

Potez 630はフランスの航空機史において重要な役割を持つ機体であり、多岐にわたる対応機種が存在するため、多くの軍事愛好家や歴史研究者の興味を引いています。

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