ポポ (曲)

電気グルーヴのシングル「ポポ」について

「ポポ」は、日本の音楽ユニットである電気グルーヴが1994年11月2日にKi/oon Sony Recordsからリリースした4枚目のシングルです。この楽曲は、同年のオリジナルアルバム『DRAGON』の先行シングルであり、前作「N.O.」から9か月ぶりに発表されたものです。作詞は石野卓球とピエール瀧が担当し、作曲は石野卓球が行っています。また、この楽曲は電気グルーヴによるセルフプロデュースとして知られています。

メディアでの使用と歌詞のテーマ

「ポポ」は、フジテレビ系の子供番組『ポンキッキーズ』での使用が決定し、特に人気を博しました。この番組は1993年から2018年まで放送されており、瀧がレギュラー出演していたことから、楽曲の採用が実現しました。当初、歌詞は完成していなかったものの、石野が瀧の自宅に訪れ、急遽作詞を行う結果となりました。番組内では、蒸気機関車の映像と共に「汽車の歌」として認知されていますが、実際の歌詞はアシッドをテーマにしているという独特な内容です。石野は「子供向けの番組でもアシッドの内容が良いと思った」と述べており、そのコメントには一種のユーモアが感じられます。

歌詞中には「SL」という表現が登場し、これが「LSD」をひねったものではないかという解釈もあります。実際、瀧は「子供に聞かせたら面白いかも」と思ってこの仕事を引き受けたと明かしていますが、石野は「子供たちはもっと無邪気なものを好む」とも指摘しており、曲としては意外な選択肢だったとも言えるでしょう。

チャート成績

「ポポ」は、オリコンチャートで最高位12位を記録し、登場回数は6回、売り上げは7万枚に達しています。この売上は、電気グルーヴのシングル売上ランキングでも3位に位置づけられています。

制作エピソード

この楽曲は、ライブパフォーマンスで瀧が頻繁に披露していたこともあり、オムニバスアルバム『DRILL KING ANTHOLOGY』の収録曲「力医師」をサンプリングした制作背景があります。ただし、このサンプリングはオムニバス収録バージョンからではなく、作曲合宿中に撮影されたVTRから得られたインスピレーションによるもので、瀧がVTR内で発した「ポポ〜!」という叫びから発想が広がりました。このVTRは、電気グルーヴが司会を務めていた音楽番組『VIDEO JAM』でも放送され、シングル「誰だ! (Radio Edit)」のミュージックビデオにも収められています。

楽曲内の間奏部分では、当時のVTRから抜き出された瀧の「ポーポーかもー」という音声が利用されています。石野はこのような奇妙な音声を楽曲の黄金パターンとして評価しています。

別バージョンの存在

「ポポ」には、シングルとアルバム版で異なるバージョンが存在します。シングルは「Radio Edit」としてリリースされ、アルバム版には「Dubbing You Mix」という副題が付けられています。しかし、シングル版は「Radio Edit」でありながら、5分を越える長さになっているため、実際のラジオ放送基準とは異なる点も指摘されています。

さらに、ソロワーク集「PARKING」には、「ポポ(毛糸の帽子Mix)」という別バージョンも収録されています。これらのバリエーションは、いずれも電気グルーヴらしい音楽性を反映した作品に仕上がっています。

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