ポメラニア戦役 (1675年-1676年)

ポメラニア戦役(1675年-1676年



ポメラニア戦役は、スコーネ戦争中、1675年9月から1676年1月中旬にかけて、ブランデンブルク=プロイセンとデンマークが共同でスウェーデン領ポメラニアに対して行った軍事遠征です。この戦役で、両国は連携してスウェーデン領ポメラニアの大部分を占領することに成功しました。

戦役の背景



1675年、ブランデンブルクはフェールベリンの戦いにおいてスウェーデン軍を打ち破り、劣勢に追い込みました。しかし、スウェーデンの軍事力は完全に排除されたわけではなく、スウェーデン領ポメラニアからの再侵攻の脅威は依然として残っていました。同年7月、神聖ローマ帝国、デンマークなどがスウェーデンに宣戦布告し、帝国戦争が始まりました。ブランデンブルクとデンマークは共同で軍事行動を起こすことで合意しましたが、具体的な作戦計画や占領地の分配を巡る協議に時間がかかり、作戦の開始は遅れました。連合軍の第一目標は、北ドイツにおけるスウェーデン領土の征服でした。

戦争準備



デンマークは、騎と歩合わせて20,000名からなる野戦軍を動員し、艦隊も臨戦態勢に入りました。進軍の準備として、ホルシュタインからハンブルクに至る道を占領・確保しました。クリスチャン5世は、デンマークとネーデルラントの軍艦でカテガット海峡を封鎖するよう命じ、アーダム・フォン・ヴァイヘア元帥に侵攻軍をホルシュタインのバート・オルデスローに集結させるよう指示しました。増強されたデンマーク艦隊は、スウェーデン領ポメラニアの沿岸を哨戒するためバルト海へ派遣されました。1675年9月2日、デンマークはスウェーデンに宣戦布告。クリスチャン5世は9月9日にバート・オルデスローで自軍を閲しました。この軍は18,000名と大砲40門を擁し、ヴァイヘア元帥の指揮下に置かれました。

戦役の経過



連合軍は、スウェーデン領ポメラニアに三方向から侵攻する計画を立てました。神聖ローマ帝国軍はトリープゼース、デンマーク軍はダムガルテン、ブランデンブルク軍はギュッツコウを突破する予定でした。16,000名のデンマーク軍は9月12日にメクレンブルクを経由して進撃を開始し、ガーデブッシュを通ってスウェーデン領ポメラニアを目指しました。クリスチャン5世は戦役を通じて命令を下し、作戦に大きな影響を与えました。

9月20日、デンマーク軍はヴィスマールに到達し、周辺を包囲しました。その後、ドーベラーンでブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルムと合流し、攻勢同盟を結びました。デンマークは1645年から1660年の和約で失った領土の奪還と、ヴィスマールリューゲン島の獲得を、ブランデンブルクはスウェーデン領ポメラニア全土の獲得を目指しました。

10月1日、デンマーク軍はスウェーデン領ポメラニアの最初の町、ダムガルテンの対岸にあるリプニッツで国境に到達しました。国境のレックニッツ川を渡る際にスウェーデン軍の応射を受け、損害を出しました。陣地戦の末、ようやく川を渡ることができました。

一方、スウェーデン艦隊の出撃は遅延し、10月16日に外海に出たものの、嵐に遭遇し、乗員の多くが病気になったため帰投しました。これにより、スウェーデン国王カール11世の作戦は失敗に終わり、ドイツにおける領土の喪失が確実となりました。

ブランデンブルク選帝侯は9月末に軍を率いてメクレンブルクに進出、クレンペノウ城を攻略した後、ペーネ川の各渡しを偵察しました。10月5日、ギュッツコウの渡しを攻撃し、激戦の末に占領。ペーネ川の渡河点を確保しました。その後、ゲルツケ中将がシュトルプミュールの砦を陥落させ、グルンプコウ中佐がブレーヒェンの砦を落とし、それぞれペーネ川を押し渡ることに成功しました。10月8日、ダムガルテンからスウェーデン軍が撤退し、デンマーク軍がシュトラールズントへ進撃。ブランデンブルク軍はヴォリン島占領し、ヴォルガストへと前進しました。

スウェーデン軍は、防備を固めた残りの各所に撤退しました。デンマーク軍はシュトラールズントへ迫りましたが、攻囲は合意に至りませんでした。

10月26日、クリスチャン5世はヴィスマールの攻囲を開始し、12月8日に同市を占領しました。ブランデンブルク軍はヴォリン島占領し、10月31日からヴォルガストを攻囲。11月10日、ヴォルガスト守備隊はブランデンブルク軍に降伏しました。

1675年末、シュテッティーンを除き、デンミーン、アンクラムグライフスヴァルトシュトラールズントリューゲン島のみがスウェーデンの手に残りました。悪天候、補給の不足、病気の蔓延により、選帝侯はを冬営に収容せざるを得ませんでした。1676年初頭、スウェーデン軍はヴォルガストの奪還を試みましたが、失敗に終わりました。

こうして、ポメラニア戦役は数年に及ぶ長期の要塞戦へと移行していきました。

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