ヴィスマール

ヴィスマール：バルト海の美しいハンザ同盟都市

ヴィスマール（Wismar）は、ドイツ北部、バルト海に面した人口約4.4万人の都市です。かつてハンザ同盟都市として栄え、現在はメクレンブルク＝フォアポンメルン州ノルトヴェストメクレンブルク郡の郡都となっています。近隣都市としては、西にリューベック、南にシュヴェリーンがあります。

歴史

ヴィスマールは1229年に都市権を獲得し、1241年には市参事会の存在が確認されています。1259年には、リューベックやロストックと協力して海賊対策のための協定を結び、これが後のハンザ同盟へと発展しました。1358年以降はハンザ同盟の中核都市として繁栄し、15世紀には人口約8000人を数えました。主な産業はビール製造・販売、樽製造、毛織物などで、13世紀から14世紀にかけて最盛期を迎えました。

1648年のヴェストファーレン条約により、ヴィスマールはスウェーデン領となり、スウェーデン国王は神聖ローマ帝国内の領地としてヴィスマールを所有することになりました。1803年にはスウェーデンがメクレンブルクにヴィスマールを譲渡しましたが、「100年後の買い戻し権」を保持していたため、主権の所在が曖昧な状態が続きました。1903年にスウェーデンが権利を放棄し、最終的にドイツ領となりました。

近現代

第二次世界大戦末期の1945年、ヴィスマールはイギリス軍に占領され、その後ソ連軍も進駐しました。東西連合軍の接触ラインとなりましたが、最終的にソ連占領地域となり、東ドイツの一部となりました。1990年のドイツ再統一後は、メクレンブルク＝フォアポンメルン州の一部となっています。

文化と観光

ヴィスマールの旧市街は、ハンザ同盟都市特有の煉瓦ゴシック建築が数多く残っており、2002年に「シュトラールズント歴史地区とヴィスマール歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されました。特に聖ニコライ教会などの教会建築は見ごたえがあります。また、1922年の映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』のロケ地としても知られています。

ヴィスマールは、その美しい景観と豊かな歴史から、多くの観光客を魅了しています。バルト海の港町ならではの雰囲気を満喫できるでしょう。

ヴィスマールの著名人

ヨアヒム・シュトライヒ：サッカー選手
ヴィルヘルム・プリュショー：写真家
ゴットロープ・フレーゲ：哲学者
ゾフィー・フォン・メクレンブルク：王族
アントン・フォン・ホーベルク＝ブーフヴァルト：SS隊員

外部リンク

ヴィスマール公式サイト（ドイツ語）
* ヴィスマール大学（ドイツ語）

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