ポリウレタン

ポリウレタンの概要

ポリウレタンとは、ウレタン結合を含む重合体の総称であり、主にイソシアネート基と水酸基を持つ化合物が重付加して作られます。このウレタン結合は、化学式で表すと -NH・CO・O- の形状をしており、ポリウレタン自体はウレタン樹脂やウレタンゴムとも呼ばれます。プラスチックとしての分類では「PU」、ゴムとしては「U」と略されます。1937年にドイツのIGファルベン社によって初の実用化が実現され、その利用は1950年代に入ってから工業的に広がりました。

化学的特性

ポリウレタンは非常に高い抗張力と耐摩耗性、さらには耐油性に優れていますが、耐熱性や耐水性に関しては他の合成ゴムと比較すると低いとされています。この素材は、湿度や紫外線、熱、微生物、そして空気中の窒素酸化物といった環境因子に影響を受けやすい性質も持っています。そのため、分解が始まるのは素材合成時からであり、時間経過とともに劣化が進行します。

劣化の問題

ポリウレタンの劣化は加水分解が主な要因であり、高湿度環境下ではこの劣化が加速されます。その結果、日常的な使用に伴うトラブルが発生することが多く、例えば、靴底に使用されたポリウレタン材料が劣化すると、捻挫などの怪我を引き起こす可能性があります。特に登山やスポーツ中においては、劣化が伴うことで遭難に至る危険性もあります。この劣化過程は使用回数とは無関係に進行します。ただし、エステル系ポリウレタンとは異なり、エーテル系ポリウレタンは加水分解に対して非常に強く、劣化しにくい特性を持っています。

合成方法

ポリウレタンは、主にポリオールとしてのグリコールと、二官能型イソシアネート（ジイソシアネート）を反応させて合成されます。また、カルボキシ基やアミノ基などの官能基を追加することで、製品の特性を多様化させることが可能です。例えば、ウレタンフォーム（発泡ポリウレタン）を製造する際には、発泡剤を加えて重合を促進します。

主な用途

ポリウレタンの幅広い用途は多岐にわたります。具体的には、以下のような用途が挙げられます：

• - 塗料（水性や油性ウレタン塗料）
• - 接着剤（ホットメルト接着剤）
• - ウレタンフォーム（クッション材として利用）
• - スポンジ
• - シーリング材やコーキング材
• - 断熱材及び充填材
• - 防音材
• - 繊維製品（ストレッチ素材）
• - 靴底、スキーブーツ、自動車部品（インシュレーター、クッションなど）
• - 発泡ウレタンを用いたボディ剛性向上
• - 軽量盛土やスピーカーユニットの振動板

このようにポリウレタンは、多くの製品や材料に利用され、私たちの生活に欠かせない存在となっています。

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