ポリエ

ポリエとは

ポリエ（polje）は、カルスト地形における特徴的な地形であり、通常その面積は5から400平方キロメートルに達します。この地形の名称はスラブ語に由来し、「野原」を意味していますが、地質学的なコンテキストでは、カルスト地形の大規模な平坦な窪地を指す言葉として用いられています。一般的な呼称としては、カルストポリエやカルストフィールドとも言われ、日本語では溶食盆地と訳されることもあります。

地質的特徴

ポリエは、カルスト石灰岩によって形成された広大な、底が平坦な窪地として定義されます。特に、長軸が主要構造の走向に沿って展開していることが多く、数千キロメートルに及ぶものもあります。ポリエの底部にあたる地域には、不溶岩や土壌が存在し、平坦な地形となることが一般的です。

これらの地形では、表面堆積物は泥や砂が積もりやすく、降水時には排水が行われます。この排水は、表面の水流によって行われることが多く、これをオープンポリエと呼びます。一方、ポノールや陥落孔を通じた排水はクオーズポリエと呼ばれ、特に多量の水を流すことは難しいため、多くのポリエは雨季には一時的に湖となることがあります。

ポリエの構造は、地形変化だけでなく、溶解や平坦化作用によっても影響を受けており、その発達はカルスト地形内の排水条件に大きく左右されます。

分布と環境

ポリエは主に亜熱帯や熱帯の地域に見られますが、温帯地域にも少数存在し、さらには亜寒帯で確認されることもあります。この地形は、しばしばテラロッサと呼ばれる厚い堆積物に覆われ、そのため農業用途として広く利用されています。

特にディナル・アルプス山脈には、多数のポリエが見られ、冬や春の降雨が多い時期には、izvorまたはvreloと呼ばれる一時的な湖が発生することがあります。これらの湖はポノールを通じて流れ出し、消失します。

代表的なポリエ

世界中には多くのポリエが存在しますが、その中で特に注目されるのはボスニア・ヘルツェゴビナに位置するリヴァニスコ・ポリエで、これは長さ60キロメートル、幅7キロメートルという世界最大の規模を誇ります。他にも、グラモツコ・ポリエ、グラホブスコ・ポリエ、ドゥヴァンジスコ・ポリエなどがあり、これらはそれぞれ独自の特徴を持っています。

語源

「ポリエ」という語は「奥地の谷」を意味し、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、イタリア語、スペイン語、トルコ語にも類似の形で存在します。スラヴ語派の言語に由来し、英語では旧ユーゴスラビア地域の言語を通じて取り入れられました。マケドニア語やブルガリア語では「pole」、ロシア語では「polye」という表現が見られます。

関連項目

ポリエに関連する地形には、カルスト地形、特にドリーネやウバーレが挙げられます。また、日本のポリエの例として秋吉台もあります。これらの情報は、地形の理解を深める上で重要な要素です。

最後に、地形環境を学ぶ上での参考として、中国地方山口県の中原ポリエの研究が有名です。

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