ポルシェ・718

ポルシェ718：伝説のスポーツカーとフォーミュラカー

ポルシェ718は、1950年代後半から1960年代前半にかけて、ポルシェが開発・運用した高性能マシン群を指します。スポーツカータイプとフォーミュラカータイプがあり、数々のレースで輝かしい成績を残しました。その歴史と技術的特徴を紐解いていきましょう。

718RSK：進化したスポーツカーの原点

718RSKは、1957年にポルシェ550をベースに開発されたスポーツカーです。550を大幅に改良し、エンジン出力は148馬力から、1958年には160馬力にまで向上しました。このモデルは、718シリーズの基礎を築いた重要な存在です。

718RS60：操縦性の向上と勝利への軌跡

1960年に登場した718RS60は、サスペンションシステムに大きな改良が加えられました。スイングアクスル式からセミトレーリングアーム式に変更されたことで、操縦性が劇的に向上しました。また、当時のレギュレーション変更に対応し、フロントガラスの面積も拡大されています。その結果、ル・マン24時間レースで総合10位、セブリング12時間レースとタルガ・フローリオでは優勝という輝かしい成績を収めました。

718RS61：多様なエンジンと進化した性能

1961年のレギュレーション変更を受けて、718RS61ではエンジンルーム後部に収納スペースが設けられました。エンジンは、排気量1,587cm³から1,966cm³まで、複数のバリエーションが用意され、出力も向上しました。生産台数は15台と限定的でしたが、8気筒エンジンを搭載したモデルは、タルガ・フローリオで3位に入賞するなど、高い競争力を示しました。ル・マン24時間レースでは3台が出場し、上位入賞を果たしました。1962年にはタルガ・フローリオとADAC 1000kmレースで3位に入賞し、1963年から1964年にかけてはヨーロッパ・ヒルクライム選手権チャンピオンの愛車となりました。

718F2：フォーミュラ2への挑戦

1957年、F2エンジンの排気量規定が1.5Lに変更されたことを受け、718RSKをベースに718F2が開発されました。1960年からはポルシェ787と併用され、F2カテゴリーを戦いました。

718F1：フォーミュラ1へのステップアップ

1961年、F1エンジンの排気量規定が1.5Lに変更されたことに伴い、718F2をベースにした718F1が開発され、F1カテゴリーに挑戦しました。

まとめ

ポルシェ718シリーズは、スポーツカーとフォーミュラカーの両面で、高い技術力と開発力を示したモデル群です。550をベースにしたRSKから始まり、RS60、RS61と進化を遂げ、F2、F1への挑戦も見られた、ポルシェの歴史を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。数々のレースでの勝利や上位入賞は、ポルシェの技術力の高さと、開発陣の情熱を証明しています。この資料は、ポルシェ博物館/松田コレクション資料を参考に作成されました。

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