ポルシェ・906

ポルシェ906：カレラ6

ポルシェ906、別名カレラ6は、1966年にデビューしたレーシングカーで、FIAのグループ4規定に基づいて設計されました。ポルシェにとって初の純レーシングカーとして、年間生産50台以上のスポーツカーを対象とした国際スポーツカー選手権において、756cc未満のクラスでの勝利を目指して開発されたのです。75台のユニークな車両が生産され、その中にはホモロゲーション用の52台が含まれています。これらの車両は、ポルシェのワークスチームだけでなく、プライベートチームにも貸し出されました。また、生産義務のないG6プロトタイプのための13台が開発され、国際マニュファクチャラーズ選手権での2リッター以下クラスで活躍しました。

エンジンと性能

ポルシェ906は、その性能の根幹をなすエンジンにも注目が集まります。量産モデルには901/20型というエンジンが搭載されており、1,991ccの水平対向6気筒エンジンで最高出力210馬力を誇ります。更に、キャブレターを切り替えた901/21型エンジンでは220馬力に引き上げられた他、771/1型エンジンはF1用のエンジンから派生したもので、260馬力を発揮します。これにより、ポルシェ906は数々のレースでその存在感を示しました。

シャーシとボディデザイン

906のシャーシは、904からの進化形として鋼管スペースフレームが採用されており、強度と軽量化が実現されています。また、完全にFRP製のボディは、流線型のデザインが施され、特にフロント部分ではボンネットが低く抑えられています。これは、空気抵抗を減少させるための重要な要素となっています。さらに、長距離レース用にデザインされたロングテールバージョンは、速度性能を向上させる役割も果たしました。

レースでの活躍

1966年のデイトナ24時間レースで実戦デビューを果たしたポルシェ906は、タルガ・フローリオやル・マン24時間レースなどで素晴らしいパフォーマンスを見せました。特にタルガ・フローリオではチームが総合優勝を達成し、ル・マンでは4~7位を独占する活躍を見せました。これにより、グループ4スポーツカー選手権S2クラスを制覇し、競技者としての実力を証明しました。

日本における活躍

906は日本にも輸入され、様々なスポーツカーレースに参加しました。特に日本グランプリでは、地元のプリンスR380との競り合いが注目を集めました。1967年の第4回日本GPでは、906同士の対決が繰り広げられ、生沢徹が見事に優勝を果たしています。

ポルシェ906はそのデビュー以来、多くのレースで素晴らしい成績を残し、今でも自動車ファンに愛され続けています。その優れた技術と魅力的なデザインは、ポルシェの名を不動のものにしたといえます。

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