ポルトガル王政復古戦争

ポルトガル王政復古戦争

ポルトガル王政復古戦争は、1640年のポルトガル革命に伴い、スペイン帝国とポルトガル王国の間で展開された戦争です。この戦争によって、スペインとポルトガルの同君連合は解消され、ポルトガルは再び独立を果たしました。

背景

17世紀のポルトガルは、従来のアヴィス家に代わってブラガンサ家を復古させる動きがありました。1580年にフェリペ2世がイベリア連合を成立させた際、ポルトガルはスペインの傘下に入るも、独自の法律や政府を維持することが一応の約束でした。しかし、時間が経つにつれてスペインはポルトガルの自治権を制限し、中央集権化を進めました。特に、フェリペ4世の統治下で重税が課せられ、ポルトガル軍がスペインの戦争に動員される中、ポルトガル国内の不満は高まっていきました。

このような状況の中で、1637年に発生したマヌエリーニョ反乱をきっかけに、ポルトガル貴族たちの間に天啓が訪れ、1640年の喝采革命に至る運動が高まりました。革命は12月1日にリスボンで始まり、瞬く間に全国へ広まりました。

フランスの影響

当時のフランスの宰相リシュリューは、スペインとの戦争を有利に進めるため、ポルトガルの王位請求を支持しました。ジョアン4世は、スペインを消耗させる機会を得るために、フランスと連携して進められたこの戦争は、スペインの国力を侵食する目的でもありました。しかし、同時にフランス国内の内政問題を抱え、リシュリュー以降の政権はポルトガル支援を徐々に減少させていきました。

オランダとの関係

オランダ共和国もスペインに対抗するため、ポルトガルと休戦協定を結ぶなどし、経済協力の復活を決定しました。1640年の王政復古後、オランダは小規模な軍事支援を行い、後にポルトガルをめぐる戦争の重要な局面で影響力を持つことになります。ポルトガルが再独立を果たす際にも、オランダは承認と停戦を行うものの、正式な条約は結ばれませんでした。

イングランドとの同盟

一方、イングランドも重要な役割を果たしました。イングランド内戦中に議会派が勝利を収めた後、ポルトガルはイングランドとの同盟関係を再確立しました。この間、ポルトガル王女カタリナがチャールズ2世と結婚し、対スペインにおける支援を得る過程で仲介役としての役割が発揮されました。ポルトガルには、イングランドからの兵士や資金が派遣され、独立戦争を支える一因となりました。

戦争の進行

戦争期間中は侵攻や防衛の戦闘が繰り返され、ポルトガル軍はモンティジョの戦い、エルヴァスの戦い、アメイシアルの戦いなどで勝利を収めることができました。こうした勝利に支えられ、1668年にはリスボン条約が締結され、ポルトガルはついにスペインから独立を正式に回復しました。

結果

この戦争の結果、ポルトガルはブラガンサ家の正当性が承認され、独立を維持するための新たな国是が構築されることとなりました。ポルトガルとスペインの関係は大きく変化し、その後の歴史においても影響を及ぼすこととなります。王政復古を記念するため、1884年にリスボンにはレスタウラドーレス広場が設けられ、多くの人々にこの歴史的事実が語り継がれています。

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