ポルトガル軍

ポルトガル軍（Forças Armadas de Portugal）は、ポルトガルの防衛を担う軍事組織です。2007年時点では、現役兵総員が約4万4千人、予備役が約21万人という規模でした。

組織構成

形式上、ポルトガル大統領が最高指揮官とされていますが、実際の指揮権は内閣を構成する国防大臣に委ねられ、文民統制が敷かれています。国防省の傘下には、陸軍、海軍、空軍の三軍があり、さらに準軍事組織として共和国国家警備隊が置かれています。

軍の最高意思決定機関は国防最高評議会であり、諮問機関として軍事委員会が存在します。実際の軍の調整・運用は、国防省傘下の国軍総参謀本部が行います。

各軍の概要

陸軍

陸軍は3個旅団と2つの常設軍管区に分かれており、旅団が基本戦略単位となっています。部隊は能力管理者（フォース・プロバイダー）と能力運用者（フォース・ユーザー）の二系統に分かれ、それぞれの役割を担います。

海軍

海軍は、潜水艦1隻とフリゲート7隻を主力とする38隻の艦艇を保有しています。国内を5つの海軍管区に区分し、リスボンに主要基地を置いています。また、アゾレス諸島やマデイラ諸島といった遠隔地の防衛警備も担当します。このほか、海軍航空隊や約1800人規模の海兵隊も擁しています。

空軍

空軍は3個の機能別集団と、その他の部隊・機関で構成されています。航空部隊は航空団ではなく、航空基地ごとに運用されています。

共和国国家警備隊

共和国国家警備隊は、国防省傘下の国家憲兵であり、平時は内務省の指揮下で、主に地方部の警察・警備業務を行います。戦時には軍の指揮下に入り、平和維持活動にも海外派遣されることがあります。

活動と歴史

ポルトガル軍は、国土と海外領土の防衛、国際平和維持活動への支援を主な任務としています。北大西洋条約機構（NATO）の一員としても活動し、近年ではギニアビサウ、東ティモール、アフガニスタンでの作戦や、バルカン半島、レバノンでの活動に参加しています。

かつては徴兵制を採用していましたが、2004年に廃止され、現在は志願兵制となっています。

参考資料

Christopher Langton, Military Balance 2007, Routledge

外部リンク

国防省 (Ministro da Defesa Nacional)
国軍総参謀本部 (Estado-Maior General das Forças Armadas)
陸軍 (Ejército)
海軍 (Marinha Portuguesa)
空軍 (Força Aérea Portuguesa)
* 共和国国家警備隊 (Guarda Nacional Republicana)

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