ポルトーフランセ

ポルトーフランセ基地：ケルゲレン諸島の科学拠点

ポルトーフランセ（Port-aux-Français）は、インド洋に浮かぶフランス領ケルゲレン諸島に位置する研究観測基地です。1950年に開設されて以来、ケルゲレン諸島における科学研究と観測活動の中心地となっています。

歴史

基地はグランド・テール島のクールベ半島南側、モルビアン湾に面した場所に位置しています。この場所が選ばれたのは、強風の影響を受けにくいことと、滑走路建設の可能性が考慮されたためでした。しかし、最終的に滑走路は建設されませんでした。

1950年代には、パリに本社を置く屠殺事業会社Sidapがアザラシ製品加工工場を建設。オーストラリアから機械を輸入し、1957年に工場が完成しました。同年12月16日には、ケルゲレンで最初の結婚式が、事業会社の社長とそのパートナーによって執り行われました。工場には煮沸釜、殺菌装置などの設備が設置されましたが、1960年代に閉鎖されました。工場閉鎖後、設備は2005年にレユニオンへ送還されました。

気候と環境

ケルゲレン諸島は亜南極気候に属し、年間を通して低温で強風が吹く厳しい環境です。ポルトーフランセ基地は、そのような環境下で、気象観測や地球物理学研究など、様々な科学活動を支えています。

基地の構成と機能

ポルトーフランセ基地には、水深の浅い港と、補給船との間を往復するはしけのための埠頭設備があります。基地の要員数は通常、冬季には60名程度、夏季には120名程度となります。基地内には、補給に必要な物流設備のほか、生物学、地球物理学などの研究施設、気象観測や通信、人工衛星追尾などの技術施設、そして診療所があります。

観測施設

ポルトーフランセ基地には、海洋観測のための重要な施設が設置されています。具体的には、以下の設備が整備されています。

3基の最新機器を装備した検潮施設
2基の海底圧力検潮儀
* 1基のレーダー式海面水位計

これらの検潮儀とレーダーによる観測データは、1時間ごとに人工衛星を経由して伝送され、毎分のデータはインターネットを通じて配信されています。これらのデータは、地球規模での気候変動研究や海洋 dynamics の理解に貢献しています。

ポルトーフランセ基地は、ケルゲレン諸島における科学研究と観測活動の拠点として、重要な役割を果たし続けています。その活動は、地球規模での環境変動の監視や、海洋研究の発展に貢献しています。

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