ポルノグラフィティ (ポルノグラフィティのアルバム)

ポルノグラフィティ7作目のオリジナルアルバム『PORNO GRAFFITTI』：凝縮された時間と個性の輝き

2007年8月29日、人気ロックバンド・ポルノグラフィティの7作目となるオリジナルアルバム『PORNO GRAFFITTI』がリリースされました。前作『m-CABI』からわずか9ヶ月という短いスパンでの発表は、バンドの旺盛な創作意欲を物語っています。

このアルバムは、バンド名と同じタイトルを冠した、いわばセルフタイトル作品。リードシングルは22作目のシングル「リンク」です。通常盤に加え、CDとDVDがセットになった初回限定盤も発売され、ポルノグラフィティにとって初のDVD付きアルバムとなりました。DVDには、アルバム制作の過程を記録した貴重な映像が収録されています。

『m-CABI』から本作までの間にリリースされたシングルは「リンク」のみ。そのため、アルバムに収録されたシングル曲は過去作と比較して少なく、全11曲というコンパクトな構成となっています。これは、メンバーの意向で「45分という凝縮された時間にこだわった」結果によるものでした。

楽曲制作においては、メンバーそれぞれの個性が色濃く反映されています。全11曲中8曲は、岡野昭仁か新藤晴一が単独で作詞作曲を担当。それぞれの持ち味を存分に発揮した楽曲群は、アルバム全体の奥行きと多様性を豊かに彩っています。

レコーディングでは、サポートメンバーとしてドラムスの松永俊弥、ベースの根岸孝旨、キーボードのak.hommaの3名が参加。この3名は、2006年のポカリスエットキャンペーンの当選者限定ライブ『RE・BODY』でも共演しており、息の合った演奏で作品に深みを与えています。このメンバーは、本作を引っ提げたツアー『ポルノグラフィティがやってきた』でもバンドを支えました。

アルバム制作は、『m-CABI』の制作終了頃から既に構想が始まっていました。じっくりと時間をかけて練り上げられた楽曲たちは、まさにバンドの集大成とも言うべき完成度を誇っています。

初回限定盤に付属するDVDには、メンバーインタビューやレコーディング風景など、貴重な映像が約50分間にわたって収録されています。制作過程を追体験できる、ファン必見のアイテムです。

各楽曲の魅力

アルバムに収録された楽曲は、それぞれに個性あふれる魅力を持っています。

リンク: 22ndシングル。シングルリリースを前提として制作されていなかった楽曲が、アルバムの幕開けを飾る、意外性のある1曲です。アルバムの1曲目にシングル曲が配置されたのは本作が初めてです。
空蝉: シングルやアルバム収録を意識せず自由に制作された楽曲。テンポチェンジの激しさから、仮タイトルは「テンポチェンジ」でした。
ウォーカー: 昭仁が、晴一の楽曲の中で最も気に入っているという1曲。
ベアーズ: 野球を題材にした楽曲。PVも制作され、アルバム曲でPVが制作されたのは本作が初めてです。コミカルな作風も話題を呼びました。
農夫と赤いスカーフ: 「ベアーズ」の住む街の様子を描写した楽曲。
鉄槌: 山崎豊子の小説『白い巨塔』『二つの祖国』からインスピレーションを得て作詞された楽曲。
Light and Shadow:ラジオ番組で初披露された楽曲。
My 80's: アルバム唯一の打ち込み楽曲。80年代風のアレンジと歌詞が特徴的です。
ロックバンドがやってきた: 「ベアーズ」制作前に「ベアーズ」という言葉が使用された楽曲。
Please say yes, yes, yes: 前のトラックと繋がるように制作された楽曲。歌詞の多くが英語で構成されています。
そらいろ: アルバムの最後にふさわしい楽曲。故郷や旧友を歌った、心に響くバラードです。

制作・演奏参加

ポルノグラフィティ（岡野昭仁、新藤晴一）
サポートミュージシャン：松永俊弥（ドラムス）、根岸孝旨（ベース）、ak.homma（キーボード他）
そして、ストリングス、コントラバス、コーラス、シンセサイザー、ホイッスルなど、多くのミュージシャンが参加し、楽曲に華を添えています。

ベストアルバム収録

アルバム収録曲の一部は、2008年10月29日にリリースされたベストアルバム『PORNO GRAFFITTI BEST ACE』と『PORNO GRAFFITTI BEST JOKER』にも収録されており、多くのファンに愛されています。

『PORNO GRAFFITTI』は、ポルノグラフィティの音楽性と個性を凝縮した、まさに珠玉の1枚と言えるでしょう。

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