ポレッチ

クロアチアの古都ポレッチ：歴史、自然、文化が織りなす魅力

ポレッチは、クロアチアのイストリア半島西岸に位置する、2000年以上の歴史を持つ美しい都市です。その起源は古代ローマ時代に遡り、豊かな歴史と文化、そして美しい自然に恵まれています。小さなスヴェチ・ニコラ島（聖ニコラオス島）が港を守り、温暖な気候が過ごしやすさを演出しています。

古代ローマから現代まで：ポレッチの歴史

ポレッチの歴史は、紀元前2世紀にローマ人が軍事拠点を築いたことから始まりました。1世紀には都市パレンティウムとして正式に認められ、キリスト教のコミュニティも形成されました。5世紀には、守護聖人である聖マウルスを祀るエウフラシウス聖堂が建設されました。

その後、東ゴート王国、東ローマ帝国、フランク王国、アクイレイア総主教国などの支配を受け、1267年にはヴェネツィア共和国の一部となりました。ヴェネツィア時代には、多くの邸宅や教会が建設されましたが、1354年にはジェノヴァの侵攻により破壊されました。18世紀にはオーストリア帝国の支配下に入り、19世紀にはイストリアの県都として発展しました。

第一次世界大戦後、ポレッチはイタリアに併合されましたが、第二次世界大戦後にはユーゴスラビアの一部となり、クロアチア語名ポレッチに改められました。1991年のクロアチア独立宣言により、ポレッチはクロアチアの一部となり、現在に至ります。

世界遺産エウフラシウス聖堂と古代ローマの街並み

ポレッチの最も重要な史跡は、ユネスコ世界遺産に登録されているエウフラシウス聖堂です。6世紀に再建されたこの聖堂は、初期ビザンツ美術の美しいモザイク画で知られています。また、市内には古代ローマ時代のカストルム（軍事拠点）の構造が残っており、デクマヌス通りやカルド・マクシムス通りなどの主要な通りが当時の原型を留めています。マラフォルと呼ばれるローマ時代の広場には、ネプトゥヌス神殿の跡があります。

温暖な気候と豊かな自然

ポレッチは温暖な気候に恵まれ、夏は暑すぎず、冬も比較的温暖です。年間日照時間は2400時間を超え、海水温も高いことから、海水浴にも適しています。バレディネの洞窟やリム湾などの自然景観も魅力で、地中海性の植物が豊かに茂っています。

観光と経済

ポレッチは、観光業が盛んな都市です。美しい海岸線沿いには多くのホテルやリゾート施設が立ち並び、夏には多くの観光客が訪れます。また、農業や漁業も重要な産業であり、食品加工業も発展しています。

多様な民族が共存する街

ポレッチには、クロアチア人、イタリア人、セルビア人、アルバニア人など、様々な民族が暮らしています。異なる民族がお互いの文化を尊重し、寛容の精神を守りながら生活しています。

ポレッチは、歴史、文化、自然が調和した魅力的な都市です。古代ローマ時代の遺跡、美しいモザイク画が輝く聖堂、温暖な気候と美しい海岸線など、多くの見どころがあります。ぜひ一度、ポレッチを訪れて、その魅力を体験してみてください。

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