アクイレイア

アクイレイアは、イタリア共和国フリウリ＝[[ヴェネツィア・ジュリア州]]ウーディネ県に位置する、人口約3,100人の基礎自治体（コムーネ）です。古代ローマ時代に建設された都市を起源とし、中世初期まではイタリア北東部の中心都市として栄えました。その繁栄を物語る遺跡は、「アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ」としてユネスコの世界遺産に登録されています。

地理

アクイレイアはウーディネ県の南部に位置し、ゴリツィアから南西へ約27km、県都ウーディネから南南東へ約35km、州都トリエステから西北西へ約34km、ヴェネツィアから東北東へ約90kmの距離にあります。古代都市アクイレイアはアドリア海のほとりに築かれましたが、海岸線の移動により現在は内陸に入っています。

隣接するコムーネは、北にフィウミチェッロ・ヴィッラ・ヴィチェンティーナ、南にグラード、北西にテルツォ・ダクイレーイアです。コムーネにはナティッサ川が流れ、アクイレイアの町はその左岸（東岸）に位置しています。

気候分類は、イタリアの気候分類でzona E, 2244 GGに分類され、地震リスク階級はzona 3（sismicità bassa）に分類されています。

歴史

植民都市アクイレイアの建設

紀元前183年、共和政ローマによってアクイレイアが建設されました。プブリウス・コルネリウス・スキピオ・ナシカ、ガイウス・フラミニウス、ルキウス・マンリウス・アキディヌス・フルウィアヌスが建設の三人委員会に選出され、紀元前181年に都市は完成しました。都市名は土地の言葉「Akylis」に由来します。アクイレイアは、ローマの東北辺境を守る要塞として、またカルニ人やイストリア人などの侵入を防ぐ関門としての役割を担いました。初期の入植者はサムニウム出身の兵士とその家族、そして地元のウェネティ人でした。紀元前173年にはボノニア（ボローニャ）へ続く道路が開通し、紀元前169年にはラテン人入植者も加わり、駐屯軍が強化されました。

紀元前148年には北イタリアを横断するポストゥミア街道が建設され、ジェノヴァやクレモナなどの都市と結ばれました。紀元前132年には、アドリア海沿いにリミニとアルティヌムを結ぶポッピリア街道が建設され、アクイレイアの交易活動は活発化しました。軍事拠点としてだけでなく、交易拠点としても重要な役割を果たし、琥珀の取引や農業・ブドウ栽培の中心地となりました。紀元前89年にはムニキピウム（自治市）となり、関税境界が撤廃されました。

ローマ帝国下の繁栄

初代皇帝アウグストゥスの時代には略奪を受けましたが、その後再建されました。アウグストゥスもこの地を訪問し、文化と経済が大きく発展しました。1世紀には「第二のローマ」と呼ばれるほどになり、ユリア・アウグスタ街道の出発点として、ドナウ川方面への道が整備されました。町にはイタリア出身者だけでなく、ケルト人、ギリシア人、ユダヤ人など多様な人々が暮らし、商業発展に貢献しました。ユダヤ人のガラス工芸品が特産品となり、ワインや琥珀の交易も盛んに行われました。16[[7年]]にはマルコマンニ戦争で攻撃を受けましたが、マルクス・アウレリウス帝によって再建され、都市は最盛期を迎えました。

ディオクレティアヌス帝の治世には宮殿が建設され、皇帝がしばしば滞在しました。アクイレイアは造幣所を持ち、独自の通貨を発行しました。コンスタンティヌス1世も長く滞在し、重要な出来事がここで起こりました。また、海軍基地として、ヴェネツィア・エト・ヒストリア州の知事が置かれました。4世紀末には、アウソニウスによって世界で9番目に大きな都市とされました。

アクイレイアは争奪の舞台となり、340年にはコンスタンティヌス1世の息子たちの争いで、町を奪おうとした長男が敗れて殺害されました。コンスタンティヌス1世によるミラノ勅令後、アクイレイアでは最初の教会が設立され、東方地域への布教拠点となりました。アクイレイアの司教は首都大司教の地位となり、数世紀にわたり教会会議の舞台となりました。

中世

401年と408年には西ゴート族のアラリック1世によって包囲され、458年にはフン族のアッティラによって破壊されました。住民は潟湖に逃れ、ヴェネツィアやグラードの基礎を築きました。再建されたものの、規模は縮小しました。553年には大司教が総大司教となり、568年にはランゴバルド人の侵入により放棄されました。590年には再び破壊されました。

アクイレイアの総大司教はグラードに逃れましたが、606年にローマと和解。しかし、不服な人々はアクイレイアで新たな総大司教を選出し、総大司教座は分裂しました。ランゴバルド王国の下で、アクイレイアはフリウリ公によって統治されました。774年にはカール大帝がランゴバルド王国を征服し、フランク人のエリックをフリウリ公に封じました。78[[7年]]には、アクイレイア総大司教パウリヌス2世が宮廷の文法博士となりました。後継者のマクセンティウスは再建を構想しましたが、実現しませんでした。

マクセンティウスの時代には、ローマ教皇がアクイレイアの総大司教がグラードの総大司教の上位に立つことを認めましたが、アクイレイアは建築資材として略奪されました。10世紀にはマジャール人の侵入に苦しめられました。1[[1世紀]]には、総大司教が世俗的な統治権を主張し、神聖ローマ帝国から封建領主として認められましたが、在地の貴族からの批判と攻撃にさらされました。1[[1世紀]]前半の総大司教ポッポは、アクイレイアの聖堂を再建しましたが、102[[7年]]と1044年にグラードを攻撃・破壊しました。グラードの総大司教座は1450年にヴェネツィアに移転しました。

総大司教座は1[[238年]]にウーディネに移り、1[[4世紀]]には最大となりました。1420年にヴェネツィアがウーディネを併合し、総大司教座はアクイレイアに帰還しました。1445年、ヴェネツィアとの争いに敗れた総大司教は、ヴェネツィア政府から与えられる年額5000ダカットの俸給と引き換えに、世俗の所領を没収されました。以後、アクイレイア総大司教の座にはヴェネツィア人のみが就任しました。アクイレイア総大司教領はヴェネツィア共和国の一部となり、「パトリア・デル・フリウーリ」と呼ばれるようになりました。

1751年に総大司教座は解体され、ウーディネとゴリツィアに司教座が置かれました。

人口

アクイレイアの人口は時代とともに変化しました。

見所

アクイレイアには多くの歴史的な見所があります。パガーニの教会、初期キリスト教博物館、国立考古学博物館、アクイレイア考古学博物館、バジリカなどが有名です。

人物

著名な出身者には、2世紀のローマ教皇ピウス1世や、サッカー選手・指導者のルイジ・デルネーリがいます。

交通

道路にはSS352があり、グラード方面へと続いています。

アクイレイアは、その豊かな歴史と遺産を通じて、訪れる人々に深い感銘を与え続けています。

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