ポロス (古代インドの王)
ポロス (紀元前 ? - 紀元前317年)
ポロスとは、古代インドの王で、ラテン文字ではPorosと表記されます。彼はパウラヴァ族の出身であり、伝説的な戦士として知られていますが、彼自身の個人名は記録に残っていません。特にパンジャブ東部を支配し、紀元前326年に行われたヒュダスペス河畔の戦いで名を馳せました。この戦闘では、マケドニアのアレクサンドロス大王に敗北しましたが、ポロスの勇気と誇りは彼を歴史に残しました。
経歴
アレクサンドロス大王との遭遇
紀元前327年、アレクサンドロス大王がインドに侵攻した際、当時この地域には3人の有力者がいました。その中には、タキシラの新首長であるタクシレス、カシミールのアビサレス王、そしてポロスが含まれていました。ポロスは、自族の領土を守るためにアレクサンドロスに抵抗を試みました。彼の領域にはヒュダスペス川からアケシネス川にかけての肥沃な土地が含まれており、彼は騎兵4千、歩兵5万、戦車300、戦象200を動員可能でした。また、ポロスは身長が2mを超える巨人で、非常に強力な戦士とも伝えられています。
彼は長年タキシラ王と争い続けており、タクシレスがアレクサンドロスに降伏したことを受けて、アビサレスと結びつき、抵抗を決意しました。アレクサンドロスがポロスの軍と対峙した時、彼は巧妙な陽動作戦を展開し、敵の意表をついて迅速に行動しました。その結果、ポロスはアレクサンドロスの軍に敗れましたが、彼の戦象に乗り続けて最後まで戦い抜く姿にはアレクサンドロスも感銘を受けました。
アレクサンドロスとのその後
ポロスは戦後、アレクサンドロスによって彼の国を再び与えられ、重要な同盟者として共にヒュパシス川にまで進軍しました。アレクサンドロスの指導の下で、彼はその地域の平定に貢献し、彼の帰還後にはその土地がポロスのものとして認められました。また、アレクサンドロスは彼とタクシレスとの間の講和を仲介しました。
しかし、紀元前323年にアレクサンドロスが急死し、その後、彼の帝国は内乱に入ります。ダイアドコイたちが各地で権力を争う中、ポロスの王国のその後についての記録は乏しく、彼の名前は次第に歴史から消えていきました。
ポロスとパルヴァータカ王の関係
ポロスは、チャンドラグプタの軍事行動に関連する中世の戯曲にしばしば登場し、同盟者の王パルヴァータカと同一視されることがあります。チャンドラグプタが王位を獲得した後、パルヴァータカは宰相に謀殺されるという物語が成立しているため、ポロスとされる人物がこの境遇にあたるとも考えられています。
また、ポロスがエウダモスに殺害されたという伝承もあり、彼の王国は紀元前305年には消滅していたことが確かめられています。ポロスの軍事的功績や彼の物語は、後世の作品や研究においても評価され続けています。
関連作品
ポロスの存在は古代インドの歴史における重要な点として、今なお多くの人々の興味を集め続けています。
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