紀元前326年

紀元前326年は、ローマ暦における重要な年であり、共和政ローマではウィソルスとクルソルが執政官に就任しました。この年は、ローマ建国紀元428年とも数えられますが、今日では西暦紀元前326年として広く知られています。

この時代は、世界各地で重要な出来事が相次ぎました。まず、マケドニアでは、アレクサンドロス大王がインド遠征を推し進めていました。彼はインダス川を渡り、タクシラを訪れ、現地の領主タクシレス（アーンビ）と同盟を結びました。タクシレスは戦象と軍団を提供し、見返りにポロスという敵対勢力への援助を求めました。ヒュダスペス川の戦いでは、アレクサンドロスはポロスを破り、勝利を記念してアレクサンドリア・ニカイアと、愛馬の名を冠したアレクサンドリア・ブーケファリアを建設しました。ポロスはその後、アレクサンドロスの同盟者となりました。

アレクサンドロスの家臣ピリッポスは、インダス川西側の地域を統治するサトラップに任命されましたが、後に暗殺されます。アレクサンドロスは、ピリッポスの後任としてエウダモスとタクシレスを任命しました。アレクサンドロスの遠征はガンジス川近くまで進みましたが、軍の反乱によりヒュパシス川（現在のビアース川）で停止しました。彼は海軍提督ネアルコスを任命し、軍を率いてペルシア湾を通りバビロンまで航海しました。

一方、共和政ローマでは、サムニウム人がローマに宣戦布告し、第二次サムニウム戦争が始まりました。ローマはサムニウムを打ち破るために、周辺地域と新たな同盟を結びました。また、債務奴隷制を廃止する重要な決定もなされました。

東洋では、中国の趙で粛侯が死去し、武霊王が即位しました。また、滕でも文公が即位するなど、各地で君主の交代がありました。

この年に亡くなった人物としては、趙の君主である粛侯、アレクサンドロス大王の将軍コイノス、アレクサンドロスの家臣ピリッポス、そしてアレクサンドロスの愛馬ブケパロスが挙げられます。

紀元前326年は、マケドニア、ローマ、中国など各地で大きな出来事が起こり、それぞれの歴史に大きな影響を与えた年でした。




各国の紀年法

干支：乙未
日本：皇紀335年、孝安天皇67年
中国：周 - 顕王43年、秦 - 恵文君12年、楚 - 懐王3年、斉 - 威王31年、燕 - 易王7年、趙 - 粛侯24年、魏 - 恵王後元9年、韓 - 宣恵王7年
朝鮮：檀紀2008年
仏滅紀元：219年


出来事

マケドニア:
アレクサンドロス3世（大王）がインダス川を渡り、インド遠征を開始。
ヒュダスペス川の戦いでインド王ポロスを破り、アレクサンドリア・ニカイアとアレクサンドリア・ブーケファリアを建設。
アレクサンドロス軍がヒュパシス川で反乱を起こし、東進を断念。
アレクサンドロスがネアルコスを海軍提督に任命し、ペルシア湾経由でバビロンへ航海。
家臣ピリッポスが暗殺され、エウダモスとタクシレスが後任に任命。

共和政ローマ:
サムニウム人がローマに宣戦布告し、第二次サムニウム戦争が勃発。
債務奴隷制を廃止。

中国:
趙の粛侯が死去し、武霊王が即位。
滕の文公が即位。


誕生

(特筆すべき誕生の記録なし)


死去

粛侯: 趙の君主。
コイノス：アレクサンドロス3世（大王）の将軍。
ピリッポス (マカタスの子)：アレクサンドロス3世の家臣。
ブケパロス：アレクサンドロス3世の愛馬。


関連項目

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