ポロ・グラウンズ

ポロ・グラウンズ: ニューヨーク市のスポーツの殿堂

ポロ・グラウンズ（Polo Grounds）は、アメリカ・ニューヨーク市アッパー・マンハッタンにかつて存在した著名なスポーツスタジアムである。このスタジアムは、野球とアメリカン・フットボールのプロチームの本拠地として知られていた。1883年から1957年まで野球場としてはニューヨーク・ジャイアンツ（現在のサンフランシスコ・ジャイアンツ）が使用し、ニューヨーク・ヤンキースも1913年から1922年までここを本拠地としていた。また、ニューヨーク・メッツも1962年から1963年までポロ・グラウンズを利用していた。加えて、アメリカン・フットボールでは、1925年から1955年までニューヨーク・ジャイアンツが、さらに1960年から1963年にはニューヨーク・ジェッツがここを本拠地としていた。

歴史の変遷

ポロ・グラウンズは1891年に開場したとされているが、実際にはそれ以前からスポーツの場として使用されていた。オリジナルのポロ・グラウンズは1876年にナショナル・リーグが設立されたことで、ニューヨーク・ミューチュアルズが初めて利用を試みたが、わずか1年でリーグを脱退した。その後1880年にはニューヨーク・メトロポリタンズが結成され、ポロ・グラウンズで初めて野球の試合が行われる。

1883年には、メトロポリタンズのオーナーがナショナルリーグのフランチャイズ権を購入し、「ニューヨーク・ゴッサムズ」を設立。これにより、同チームとメトロポリタンズは共にポロ・グラウンズを本拠地として利用し、当時は二つのダイヤモンドを設けて試合を開催していた。後に、ゴッサムズは1885年にジャイアンツに改名され、ポロ・グラウンズはジャイアンツの象徴的なスタジアムとなった。

その後、ポロ・グラウンズは様々な形に変わり、1889年には新しい敷地に移転されたが、この時のフィールドはポロ競技場とは異なり、マンハッタン・フィールドと呼ばれた。1891年、プレイヤーズ・リーグが創設され、新たに結成されたチームも「ニューヨーク・ジャイアンツ」と名乗り、ポロ・グラウンズの近くのブラザーフッド・パークを本拠地とした。

1920年代にはスタジアムの人気が高まり、同時にボクシングのタイトルマッチも開催されるようになった。ポロ・グラウンズは、ジャック・デンプシーやジョー・ルイスといった名選手が戦った場でもある。最終的に、ポロ・グラウンズは1957年にニューヨーク・ジャイアンツがサンフランシスコへ移転するまでの様々な歴史を刻み続けた。

特徴

ポロ・グラウンズのフィールドは、独特な形状で、特にセンターまでの距離が非常に長いことが特徴であった。両翼は288フィートから335フィートと短く、本塁打が出やすい条件となっていた。このスタジアムは多目的に利用され、サッカーやコンサートなどさまざまなイベントが開催された。ポロ・グラウンズの観客席は典型的な馬蹄型に設計されており、アメリカン・フットボールにも対応できる仕様になっていた。

ポロ・グラウンズでの最後の野球の試合は1963年に行われ、これによりスタジアムの使用は終了する。1964年4月、スタジアムは解体され、現在は「ポロ・グラウンズ・タワーズ」という高層アパートが建てられている。かつての栄光を誇るこのスタジアムは、今でも多くの野球ファンの心に刻まれ続けている。

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