ポンポニオ・アッレグリ

ポンポニオ・アッレグリ（1521年 - 1593年）は、ルネサンス期のイタリアで活動した画家です。彼は、パルマ派の巨匠アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョの息子として生まれました。

生涯

ポンポニオは、父コレッジョから幼少期に絵画の基礎を学びました。13歳で父が亡くなった後は、父の弟子であったフランチェスコ・マリア・ロンダーニに師事し、修行を続けました。父と祖父から受け継いだ財産により、しばらくは裕福な生活を送っていましたが、後に土地の多くを売却することになります。

ポンポニオはパルマに居を構え、多くの重要な作品を手掛けました。特に、パルマ大聖堂に描いたフレスコ画『シナイ山のモーセ』は代表作の一つです。父コレッジョの名声のおかげで、仕事に困ることはありませんでした。しかし、彼の作品は父の模倣に留まるものが多く、コレッジョの作風を再利用しながら、ジュリオ・ロマーノやレオナルド・ダ・ヴィンチの要素を不器用に組み合わせていると評されています。コレッジョの作品に見られる明るく鮮やかな色彩も、ポンポニオの作品では落ち着いた色調に変化しています。

ポンポニオの作品で唯一、オリジナリティが認められるのは、ラヴェンナ美術アカデミーにある『豊穣』です。この作品には、マニエリスムの影響が見られ、ヤコポ・ベルトイアの作風に触発された可能性があります。しかし、この作品の帰属についても議論がなされています。

ポンポニオは、しばしば「ポンポニオ・ラエティ（Pomponio Laeti）」と署名しました。これは、父コレッジョと同様に、アッレグリの名前をラテン語化したものです。

主な作品

『シナイ山のモーセ』 1560年-1562年、パルマ大聖堂
『健康の聖母』 聖三位一体教会
『聖母子と聖人たち』 パルマ国立美術館
『聖母子と洗礼者聖ヨハネ』 パルマ国立美術館
『豊穣』 ラヴェンナ美術アカデミー

参考文献

Roberto Lasagni, Dizionario Biografico dei Parmigiani.
Sydney Joseph Freedberg (1978). Pintura en Italia, 1500-1600. Editorial Cátedra, Madrid. ISBN 84-376-0153-3
Bryan, Michael (1886). "Allegri, Pomponeo". In Graves, Robert Edmund (ed.). Bryan's Dictionary of Painters and Engravers (A–K). Vol. I (3rd ed.). London: George Bell & Sons.

関連項目

* パルマ大聖堂 (イタリア)

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