ポーツマス (ドミニカ国)

ポーツマスは、カリブ海に浮かぶドミニカ国のセント・ジョン教区に位置する町です。プリンス・ルパート湾に面した港町として知られ、住民の生活は漁業と深く結びついています。2011年の国勢調査によると、集落の人口は1,331人、ピカードやグレンヴィラを含むポーツマス町全体の人口は4,167人となっています。

ポーツマスは、1760年にドミニカ島の首都に選ばれた歴史を持ちます。しかし、首都としての期間は短く、マラリアの発生により、その年のうちにロゾーへと遷都されました。短い期間ではありましたが、ポーツマスが首都であった事実は、町の歴史を語る上で重要な要素となっています。

近年では、1978年にピカードにロス大学医学部が開校し、ポーツマスは教育の拠点としての役割も担っていました。しかし、2017年9月にドミニカを襲ったハリケーン・マリアによって大学は甚大な被害を受け、2019年1月にバルバドスへ移転しました。自然災害の脅威と、その影響からの復興という課題に直面しながらも、ポーツマスは歩みを続けています。

町内にあるベンジャミンズ・パークは、クリケット競技の国際大会が開催される場所として知られています。スポーツを通じて、地域住民の交流や国際的な繋がりが生まれています。また、日本政府の政府開発援助（ODA）によって建設された水産センターは、地域の水産業の発展に貢献しています。日本の支援は、ポーツマスの経済と社会に深く根ざしていると言えるでしょう。

興味深いことに、ポーツマス町はドミニカ国で唯一「町（Town）」の地位を与えられています。これは、他の地域とは異なる特別な地位であることを示唆しています。ポーツマスの歴史、文化、経済、そして地理的な特性が、この特別な地位を形作っていると言えるでしょう。ポーツマスは、過去の栄光、自然災害の経験、国際的な協力、そして独自の地位を持つ、多様な側面を持つ魅力的な町です。

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