ポーテイルズ

ポーテイルズ：ニューメキシコ州の学術都市と豊かな農業

ポーテイルズは、アメリカ合衆国ニューメキシコ州に位置する都市で、ルーズベルト郡の郡庁所在地です。2020年の国勢調査では人口1万2137人を数え、イースタン・ニューメキシコ大学（ENMU）の本キャンパスが置かれています。近隣のクローヴィス市と共に、地域経済を支える重要な役割を担っています。

学術都市としてのポーテイルズ

1934年に開校したイースタン・ニューメキシコ大学は、州内で3番目に大きな大学へと成長しました。大学の存在は、ポーテイルズに活気を与え、学術的な雰囲気をもたらしています。キャンパス周辺には学生向けの住宅が多く、大学と地域社会が一体となった景観が広がっています。

農業と酪農の街

かつてポーテイルズは、ピーナッツとサツマイモの産地として知られていました。特に、バレンシア・ピーナッツは合衆国で最大の産地のひとつでしたが、近年は酪農業が急速に発展しています。広大な土地を利用した酪農は、ポーテイルズの新たな主要産業となりつつあります。

スペイン風の街並み

ポーテイルズのダウンタウンは、スペインの都市デザインの影響を受けた伝統的な広場を中心に形成されています。郡庁舎や市庁舎、郵便局などが広場に面しており、歴史的な雰囲気を醸し出しています。現在修復中のヤム・シアターも、ダウンタウンのランドマークとして親しまれています。

住みやすい街としての評価

Bizjournals.comの調査によると、ポーテイルズはクオリティ・オブ・ライフで合衆国15位にランクインしています。この調査では、経済状況、交通の便、生活費、教育水準、大都市へのアクセスなどが評価基準とされました。ポーテイルズは、これらの要素をバランス良く備えた、住みやすく働きやすい街として認められています。

一人当たりの所得、短い通勤時間、低い税金、高い教育水準などが、ポーテイルズの評価を高めた要因として挙げられています。大都市へのアクセスが改善されれば、さらに上位にランクインする可能性を秘めています。

ブラックウォーター地域1号遺跡

ポーテイルズ近郊のブラックウォーター渓谷には、北米で最も重要な考古学遺跡のひとつであるブラックウォーター地域1号遺跡があります。この遺跡では、マンモス、ラクダ、ウマ、バイソンなどの更新世後期の動物と、人間の活動に関する証拠が発見されています。遺跡の重要性から、カーネギー学会やスミソニアン学術協会など、多くの学術機関が調査に携わってきました。1982年には国立登録史跡に登録され、近年では国定歴史建造部にも指定されています。

経済とインフラ

ポーテイルズの経済は、農業、酪農、サービス業に加えて、近隣のキャノン空軍基地にも大きく依存しています。基地はポーテイルズに住宅を提供し、地域経済を活性化させています。市内にはウォルマートや地元の商店、食料品店などが点在し、住民の生活を支えています。

ポーテイルズは、学術、農業、歴史、そして住みやすさを兼ね備えた、魅力的な都市です。

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