ポートサイド公園

ポートサイド公園：芸術と自然が融合する横浜のオアシス

横浜市神奈川区大野町に位置するポートサイド公園は、2001年グッドデザイン賞を受賞した、都市計画公園帷子川親水公園として知られています。帷子川下流、港湾部に広がるこの公園は、1991年から1992年にかけて開催された国際設計コンペで、171件もの応募作品の中から長谷川浩己氏によるデザインが最優秀賞に選ばれ実現しました。

公園の象徴と言えるのが、ギャラリーロード側から入ると目に飛び込んでくる「うねる芝生」です。幾重にも折り重なった芝生は、太陽の光と影によって刻々と表情を変え、起伏のある地形は自然と腰掛けたり、寝転がったりするのに最適な空間を作り出しています。まるで水面を臨む観客席のような、穏やかな時間を過ごせる場所です。

水辺には約400メートルにわたってエノキの並木道と石畳のプロムナードが続き、散策を楽しむことができます。葦原が復元された水際には、木製デッキが突き出ており、水辺の自然を間近で感じられる工夫が凝らされています。

公園の東西両端には、アルファベットと数字が記された円柱が設置されています。中にはベンチが設けられていたり、岸壁の音を拾う集音器と接続されていたりと、多様な機能を備えています。これらの円柱も、公園全体のデザインに溶け込み、独特の雰囲気を醸し出しています。

ポートサイド地区の「アート&デザインの街」というコンセプトを体現する作品の一つとして、公園そのものの魅力に加え、その立地や景観の良さから、多くの人々に親しまれています。特に、対岸を走るJR高島線の貨物列車の全編成を見渡せることから、子供たちに人気を集めています。ただし、デザイナーズパークという性格上、一般的な遊具は設置されていません。

2020年時点では、隣接するインターナショナルスクールの建設により、公園の一部が未整備の状態です。そのため、公園全体の整備は「部分完了」の状態であり、年月とともに老朽化も進んでいます。「うねる芝生」の修復や、木製デッキの張り替え、ベンチの修繕などが行われてきましたが、オリジナルのパーツが入手困難なことから、破損したままの状態や、代替部品での修復が見られる箇所もあります。

公園内は自転車の通行が禁止されていますが、近道として利用する自転車も多く、特に高速で走行する自転車も多いことから、小さなお子さん連れの方は注意が必要です。

1991年に都市計画が決定され、1998年に部分的に供用開始、2001年にはグッドデザイン賞を受賞しました。その後も、LEDポールライトの設置や、隣接地の更地化（旧YCAT跡地）といった変化を経て現在に至ります。

公園周辺には、横浜ベイクォーターやみなとみらい地区、高島水際線公園などがあり、アクセスも良好です。横浜駅東口から徒歩約7分、バスやシーバスも利用可能です。

ポートサイド公園は、洗練されたデザインと自然が調和した、横浜を代表する魅力的な公園です。みなとみらいの美しい夜景を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごしたい方におすすめです。 また、『たったひとつの恋』など、映画やドラマのロケ地としても利用された実績もあります。

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